12:20 Cグループ第2ライダー公式予選開始 |
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記:goma
最初のタイムは7秒台(まずまず)これなら5秒後半も夢じゃない?
これで、他のバイクにひっかからなければ・・・いけるよ。
少し前を走る赤いバイクと見間違えそうになりながらも必死に計測する。
普段の走行で5,6周目のタイムが一番いい彼は今回も6周目に「5’98」
思わず「うっそぉぉぉぉぉ〜。」そしてえみゅに「私の時計は5秒でたけど、テレビはどうかな?」
えみゅ「確認してきまぁ〜すぅ」とPITに戻るえみゅ。
PITではおーたさんが○サインを出している。そしてえみゅが戻ってきた「6秒02ですぅ」
ここで、正しいタイムを出すためサインボードに[6−0]と出す。
OKも出したかったが、ボードでOKは出せないし・・・。なんとか伝えたかった。
このタイムを出してから周りにバイクが増えてきたようだ。これ以上のタイムは出せるのかなぁ?
少し不安になりながらも、計測を続ける
記:えみゅ
特にやることはなかったけど、サインガードでgomaさんの隣に座る。
数周するとgomaさんが「も、もしかしたら入ったかもしれない!!」と興奮した様子。
手元のストップウォッチは2’05”97を表示していた。
えみゅ「か、確認してきます!!」
急いでピットに戻ると計測機器では2’6”029とのこと。
そのままサインガードに戻りgomaさんに伝えた。
サインボードには手元ではなく計測機器のタイムが表示された。
このとき、(7耐決勝、走れるかもしれない)と思った。
記:おーた
すぐ7秒1が出たが、走行台数が多いため走り辛そうだ。
「クリアラップがとれそうもないな」
何周目か忘れたが、モニタに2分6秒021が表示された。
サインガードからえみゅが走ってくる。
えみゅ:「5秒9でたよ」
俺: :「モニタでは6秒0だよ」
えみゅ:「そ、そう」
サインボードには6秒0の表示が準備された。(この時に、5秒9で表示してればよかったのかも)
「もうタイムを出す必要はないな。でも、ライダーとしてはもうちょっとタイムを縮めたいだろ」
昔のHIROなら速効PIT INのサインがでたたろうが、
最近の走りは安定していて転ぶような奴じゃないので安心していた。
記:アキラ
計測1周目から7秒1。
「いける!これならベストを更新できるはずだ。」
心配ない。HIROは絶対やってくれる。
予想が確信に変わった。
そして6周目に出したタイムは6秒029!
「やったー!!6秒0!」そして、思わず両腕でガッツポーズ。
モニター前に人が群がる。
(HIROさん凄いですね!) (やってくれたよ!) (速えぇなー)
みんなが嬉しそうにささやく。
「これでもう大丈夫ですよね!」 誰かが言った。
俺 「あとコンマ2秒くらい欲しいなぁ。より確実にしたいしぃ〜」
完全に楽観ムードだ。
(あとは思いっきり走って帰ってこい・・・帰ってきたらヒーローだ。)
心の中で何度もつぶやいた。
HIRO:(いや、確か0だった・・・。だとすれば予選は通過してるはず。)
記:すぅ
気合入りまくりのHIRO選手、1周目5番目でホームストレートに戻り、とにかくクリアラップ確保を狙う動き。
2周目に早くも7秒1。
順調にラップを重ねるHIRO、タイムモニターを睨み付けるアキラ。
オレはレポートの準備のためにピット裏のテントでVAIOを立ち上げる・・・
「やったー!6秒0!!」
アキラの声に皆がモニターに群がる
5 78 Compusロードレーシング 2’06”029
C組第2ライダー5番手のタイムだ。
これで、予選通過は確実。一安心。
さらにタイムアップを狙ってアグレッシブに走るHIRO選手。
「やったね、予選通過だね」「やったよ、やったよ。やってくれるねー」
ピットは和やかな雰囲気。
よーし、もうゆっくり帰って来い(^^)
記:トシ
S字で兄貴の走りを見てました。
放送で「ゼッケン78番転倒〜」と聞いたときは焦りました。
Vコーナまで行って、確認しましたが遠くて見えませんでした。
記:アキラ
予選時間が残り少ない。
HIROは他マシンに引っかかっているらしく、これ以上はタイム更新できないようだ。
(でももういい、予選は通過出来るだろう)
ようやくホっとできそうだと思ったその時。
「戻ってこない〜」
サインエリアでえみゅが叫んでいる。
「転倒!?オーバーランか!?」
思わず口にした。心臓の鼓動が突然速くなる。
周りで誰かが何か言っているが、耳に入らない。
そして放送。
「ゼッケン78番のチーム関係者の方はメディカルまでお越し下さい」
(やっちまったのか?まさか大怪我・・・。)
goma、えみゅ、とメディカルへ走る。
(骨折・・・?いや、Vコーナーだし、たいしたことないよな・・・)
必死で自分に言い聞かせる。
(無事でいてくれ・・・・俺の危惧で終わってくれ・・・)
走りながらどっと汗が吹き出してきた。
記:goma
いつも通り2分を過ぎた頃からボードの用意! 赤いバイクが来た。すかさずボードを出す。
えっ?サインボードを出し間違えた。何度か間違えそうになったバイクに出してしまった。
他に赤いバイクは来ない・・・・なに?じゃなんで帰って来ないの????
どうして?どうして? 2分30秒を過ぎたらオーバーランでもない気がして、PITを振り返る。
が、転倒するとズームアップされるテレビに映っているのを見た人がいないらしい。
「ゼッケン78番のチーム関係者の方はメディカルまでお越し下さい」
突然のアナウンスだった。
記:えみゅ
通過タイムを出した2周か3周あと、HIROさんの乗ったVTR君はホームストレートに帰ってこなかった。
いつもならピットインする周でも帰ってくるはずのタイムをずいぶん過ぎている。
gomaさんと2人、不安になる。
TVにも映らなかった、放送もされてない。
ピットに戻りTVとピット前をうろうろしていると、メディカルセンターへの呼び出しがかかった。
(ま、まさかやっちまったのか・・・?)
おーたさんに「なにか飲むもの持っていってあげて」と言われ、クーラーボックスからHIROさんの水を出し、メディカルへ急いだ。
このときはまだ救急車から歩いて降りてくるHIROさんを想像していた。
記:おーた
サインガード:「戻って来ない!!」
直感的にオイルに乗ったんだと思った。
「ゼッケン78番のチーム関係者メディカルセンターにお越しください」
とのアナウンス、とりあえずメディカルに行く。
記:すぅ
(場内アナウンス)「おーっと、ゼッケン78番です。ゼッケン78番Compus・・・・」
(オレ)上を指差して「ゼッケン78番だって」
(アキラ)何が?という顔で「そうだよ。6秒0だよ」
あれ?
(えみゅ〜)サインエリアから「戻ってこなーい。HIROさん」
まさか?転倒かぁ??
8周目、9周目と6秒中盤でラップしていったVTRが戻ってこない。
(場内アナウンス)「ゼッケン78番の関係者の方、メディカルルームまでお願いします」
アキラ、gomaが走る。
メディカルで聞くとVコーナーでの転倒との事。
「Vコーナーならスピード出てないし、立ちでのハイサイドじゃなきゃ大丈夫だね」
12:45 メディカルセンター |
記:goma
アナウンスと同時にメディカルまでダッシュ!45番PITからメディカルはすぐそこ。
メディカルには、怪我をしている人とそのチーム員の一人が処置室外の椅子にすわっている。
アキラさん、えみゅ、てんちょ、くれさんが無言で救急車を待つ。
動揺している私にへびねえが「大丈夫、大丈夫」と繰り返し暗示をかけてくれている。
しかし、救急車の来る気配がない。何分そうしていたかも覚えていないが、
やっと来たと思ったら、ストレッチャーの上で大の字にぐったりしている。
まさか、骨折?と思って様子を伺うと・・・
「背中が痛くて呼吸が苦しいそうです」と運んできた人が言えば
「手足は動きますかぁ」と看護婦さん?が尋ねる
「・・・」返事なし
そのまま処置室へ・・・。色々な思いと騒がしくなった処置室内の会話。
「横むけますかぁ〜」「・・・」あぁぁオニューのツナギも切られてしまうんだぁぁぁ。
暫く真っ白な時間が過ぎて、透明ごみ袋が渡された。
中にツナギ、インナー、靴下が入っている。すぐにてんちょがツナギを出して、
転倒の様子を推測する。「ハイサイドで転がっているな」
てんちょとくれさんは次のえいじくんの走行がせまってきたのでPITへ
メデューサさんとえみゅはメディカルとPITを何度も往復してくれ、ツナギとかヘルメットとか運んでくれました。
記:えみゅ
メディカルに入るとHIROさんはまだ着いていなかった。
しばらくすると救急車が到着。
HIROさんはストレッチャーから起きあがれずそのまま処置室に運ばれていった。
目は開いていたし意識もあるようだったがかなり苦しそうだった。
そのとき初めて(大変なことになってしまったんだ・・・)と思った。
なんの根拠もなく、gomaさんに「大丈夫、大丈夫」と言っていた。
処置室に運ばれたHIROさんは先生による手足の感覚の確認をされていたらしい。
その時は処置室のドアが開いていたのでてんちょさん、Kureさん、アキラさんがその様子を見ていた。
アキラさん「手足の感覚はあるみたいだから脊髄は大丈夫そうだよ」
その言葉に少しほっとした。
ヘルメットとグローブは先に返されていたのでとりあえずそれをピットに置きにいった。
ピットでおーたさんにヘルメットを見せた。
ヘルメットには顎のあたりにキズがついていたが、それ以外は目立つキズはついていなかった。
おーたさん「頭は打ってなさそうだね。」
またちょっとほっとした。
メディカルに戻るとまだHIROさんの処置は終わってなかった。
しばらくして職員からツナギが返され、そのツナギを広げてチェックするてんちょさんとアキラさん。
ツナギは前面の胸から腰にかけて黒くこすったような後がついていたが、背面には特に汚れが見られなかった。
その汚れから転んだ状況やどこから落ちたのか、どこを打ったのか推測していた。
その後、予選のためてんちょさんとKureさんとメデューサさんはメディカルを後にした。
ツナギはメデューサさんがピットまで持っていってくれた。
記:アキラ
メディカルに入るとまだHIROは運ばれていなかった。
(たいしたことないよな・・・。けっこうあっさり歩いて降りてきたりして)
救急車の到着と同時にその考えは裏切られた。
担架で運ばれてきたHIROはとても動けそうではない。
オフィシャル:「背中が痛くて呼吸も苦しいそうです」
(まさか、脊椎損傷・・・?)
そのまま処置室へ運ばれるとすぐにツナギを脱がされる。
中の会話を息を殺して聞いていると、どうやら手足は動くそうだ。
(最悪の事態はなさそうだな・・・。でももう今回は無理かもしれない)
息が苦しいと言うことは、あばらの2、3本は持っていかれてるだろう。
ハイサイドなら鎖骨もやっているかもしれない。
どちらにしても運ばれてきたHIROを見た瞬間、決勝は無理だと思った。
(クソッ!なんてこった!タイムは出たって言うのに!)
横ではgomaが青白い顔でたたずんでいる。
こんな時何を言ったらいのか・・・・言葉が見つからない。
「手足が動くみたいだから脊椎は大丈夫そうだ。」
gomaとえみゅに言う。二人とも頷くがその表情は変わらない。
(くそぅ。。。何かこの場を和ますことはできないのか)
処置室からツナギなど装具がビニールに入って出てくると、ドアが閉められた
重苦しい空気が3人に漂う。中ではレントゲンを撮っているようだ。
(こんな時・・・そうだ!ギャグだ!俺はどんなときでもギャグの一発でかわしてきたはずだ!)
しかしどんなギャグがあると言うのだ。この状態で。
(たしか・・・仲間がなにかとんでもないことをした時、必ず言う一言があったな・・・?なんだっけ?)
(あ、思い出した!!)
『頼むから死んでくれ!』
(や、やべぇよ!コレは今日だけは言えねぇぞ・・・)
けっきょく、気のきいたギャグは思いつかなかった。
記:おーた
HIROが運ばれてきた。
担架に乗せられてきたHIROは、ずいぶん苦しそうだったが、俺らにはなにもすることができない。
「とにかくマシンをなおさなきゃ」
トシが基準タイムをクリアしないと正式には予選通過にはならないため
メディカルの方は他の人に任せてすぅさんとマシンの修復にとりかかることにした。
記:すぅ
程なく救急車がメディカルに戻ってきた。搬送ベッドが下ろされ処置室に運び込まれていく。金網越しにHIROの様子を覗うと、動く様子がない。
動けない様態なのか?照れ隠しに動けないのか?判断はつかない。
メディカルにはアキラとgomaが行っている。
メディカル前でうろうろしていても何の役にも立たないので、メカとしてできることに専念する。
怪我が大した事ないことを祈りつつ、次の走行に向けてバイクを受け取りに行く。
車検場前の広場で待っていると、ドナドナに乗せられ主を失ったVTRが寂しげに運ばれてくる。
バイクの損傷は?バイクの壊れ方を見ればどんな転倒の仕方か、ライダーのダメージがどのくらいか、大体の予想はつく。
ドナドナからバイクを降ろし、受け取る。損傷が酷い。ハイサイドだ。
スクリーンが吹き飛び、ブレーキとクラッチのリザーバタンクが潰れている。
クラチッチレバー、左ステップは根元からなくなっている。
ガソリンタンクの上面と左サイドにへこみと路面に擦れた傷が生々しい。
Vコーナーで何があったのだろうか?立ち上がりでゼブラを踏んだのか??
バイクが回転し、上面から路面に叩きつけられたのは明らかだ。
ライダーのダメージも決して小さくはないはずだ。
クランクケースカバーは削れて穴が開きオイルが垂れている。
アッパーカウルステーの根元、フレームとの付け根は衝撃でクラックが入っている。
とにかくピットへ戻って第3ライダーのトシの予選までに走れる状態に戻す。
HIROが無事に戻ってきたときに6秒で走れるようにマシンを修復する。
それだけを考えてマシンに取り付く。
処置は続く。ちっとも楽にならないし、痛みは更にひどくなったような気がした。エアコンが少し寒く感じた。
記:トシ
VTRが悲惨な状態で戻ってきた。
忙しくおーたさん、すぅさん、devilさんがVTRを修復しているときに、
「としっ!どっかのチームからクラッチマスター借りてきて!」
と、汗だくに修復しているおーたさん。
とりあえず、闇雲にピットを回ってVTRを探したが、よく見えない!らちがあかない。
エントリーリストとピット割り当て表を見ながらVTRで出場しているピットにマークを付けて虱潰しに聞いて回りました。
『もぉ〜どこでもえぇ〜。』
チームIWAKIへ足を進め
岩城 滉一が優雅にメシを喰っている所へ申し訳なさそうに
俺「78番ですけど、転倒して・・・(中略)
クラッチマスターカップの予備があったら譲って欲しいのですけど...」
メカ「ありますよ」
と、差し出されたブレーキマスターカップ。
俺は動転していたのか、喜んで持っていったブレーキマスター。
当然おーたさんに「ちゃう!」と言われて再度チームIWAKIへ
俺「あの〜ブレーキマスターではなくクラッチマスターですけどあります?」
メカ「あぁ。ありますよ。ちょっと待ってね。」
と快く貸してくれました。
『チームIWAKIに感謝』