マスターズ決勝
作成日:09/09/30
更新日:09/11/16
記:おーた

この3ヶ月いろいろとあったけど、今の環境で、走り以外は精一杯やったかな。
あとは、「どうにでもなれ!!」って感じ。


マスターズ決勝の朝。天気は問題ない。


記:YUMI

もて耐本選日。私にとってヘルパー初動です。
与えられた任務は消火器係とサインボード出し、そしてタイム計測でした。
全体像をわかっている、えみゅ〜さんとまゆぞうさんがわかりやすく図式にした手書きメモをくれました。(ほんとに感謝です!)
ライダーの時間を短縮するために一所懸命に、あ〜でもない、こ〜でもないと試行錯誤で考えたのだろうと恐れ入りながら、メモを受け取り、何度か見直しては流れを頭にたたきつけました。(頭に入らないけどf^_^;


記:ガッキー

もて耐のヘルプに呼ばれたときはとてもわくわくした。
なにしろ自分が走らないレースで誰かのメカをやったりする機会が皆無だったので。
予選日は、自分のレースを手伝ってもらいながら、最近あまりに休んでいた土日をこれ以上開けられず帰ることになり、非常に申し訳ないと思いました。
しかも整備の駄目さ加減が有名な僕がバイクいじって大丈夫だろうか。
とにかく少しでも役に立たなければ、という恐怖も感じていました。


今日のスケジュールは、まず6時50分からのスタート前チェックとタイヤマーキング。
スタート前チェック後はそのまま車両をパークフェルメに移動し、そこでフリー走行前まで車両保管となる。
車両保管中はやむを得ない事情を除き、車両に触れる事は出来ない。
つまり、今日6時に来てくれるアキラ、石川、ガッキーの3名に対し、全体的な段取りやタイヤ交換の手順を教え、本番に耐えうるレベルまで練習してもらう時間は50分しか無い事を意味する。

そんな訳で、彼らがピットに到着するやいなやミーティングとなった。


HIROの挨拶に始まり、資料を元におーたから各人の役割や7時間の段取りが一通り説明された。

フロントタイヤは右側がガッキー、左側が石川。リアは1回目がとし、2回目がHIROで、どちらもサポートはアキラ。給油もアキラで、給油サポートに石川。

その他各計時担当や消化器担当、ヘルパーの立ち回り等々・・・。

記:おーた

手伝ってくれるクルーに挨拶&自己紹介と、昨日立てた役割分担を説明。
今回は、クルーが少なく一人の仕事量が多いため、
作業と時間管理を極力単純化してミスの出ないように配慮
皆さん、よろしくお願いします。
プラン通り行けば、182〜183周できるはず。


おーた:「と言う事で何か質問ある人?」

ガッキー:「このHIROさんの最後の走行は、ガチでバリバリ攻めるんすよね?」

HIRO:「ライダーはコンマ1秒削りながら、長時間必死に攻めてます。」

HIRO:「でもそんなこたぁ〜気にせず、タイヤ交換は焦らず確実にミス無くゆ〜っくりやって下さい。コンマ1秒削りますから。」

記:えみゅ〜

早朝、アキラさん、石川君、ガッキーが来てくれた。
これで今年のCompusのクルーが揃った。
早速、全員でのミーティングを行い決勝の作戦と役割を伝える。
元々用意していた作戦表と、昨日おーてぃがまとめた役割表を元におーてぃが説明。
ここで新たに『ライダー交代をオフィシャルに告げる人』をアキラさんに、『給油準備担当』を石川君にお願いする。
また、『次に乗るライダーがタイヤ交換の際、フロントの作業をチェックする』と決める。

ミーティング後、作戦表と役割表をピット内に掲示。
これでいつでも誰でも確認しやすくなる。


記:まゆぞ

朝、メカニックのお手伝いをしてくれる方々にご挨拶。石川君とは初対面だ。
チームとして私の体調面を心配してくれて、ボード出しの間、石川君がサポートに付いてくれる段取りになっている。
ミーティングで細かい打ち合わせが終わると、すぐにタイヤ交換練習になった。


ミーティング終了と同時に、早速それぞれのパートに別れ、フロントはおーた、リアはHIROがやり方を教える。


一通りやり方を教えた後は、各担当で練習し、慣れてきたら時間を計る。

記:ガッキー

耐久レースならではのタイムアタック。
とにかく早く、しかし安全に、と集中した。
F1のクルーはものすごいと思う…



VTRを初めて触るガッキーと石川が不安だったが、意外にも手際よくこなしてくれた。


記:おーた

一生懸命練習してるのはうちだけ。
みんなの集中力が、見ていてる方にも伝わってくる。
はじめてVTRにさわるガッキー、石川もすぐに手順を覚えてくれた。
いい結果が期待出来そう。


練習はスタート前チェックギリギリまで繰り返し行い、この短い時間内に本番で通用するレベルまで上達した。
作業を見ている限り、心配は無さそうだ。

記:えみゅ〜

スタ前の後は車両保管となる為、スタ前は終了時間ギリギリに行く事にする。
その間、時間を惜しむようにタイヤ交換の練習をする。
SP-1に初めて触る石川君とガッキーがフロントを担当するので多少の不安があったが、おーてぃによると「直に手順を覚えたし問題なし」との事。
それを聞いて安心した。


車両とタイヤを車検場まで運び、スタート前チェックを受け、タイヤにマーキングしてもらう。

記:えみゅ〜

いよいよ時間が迫りタイヤマーキング用のタイヤと車両を持って車検場へ。
タイヤマーキングはホイールに新品タイヤ1セット、前日使用の1セット、車体に履いている新品タイヤ1セットの計3セットをチェックしてもらう。
SP-1はそのまま車両保管となる。



車両保管中に各自食事や休憩を取る。

ブリーフィングはいつも通りホームストレート上で行われ、その後9時丁度から20分のフリー走行となる。

記:えみゅ〜

ピットへ帰るとライダー3人はブリーフィングへ。
残ったメンバーはそれぞれに時間を過ごす。
YUMIさんは昨日まゆぞーが書いた行動表を見たり、サインボードの数字の作り方、ストップウォッチの使い方を練習している。


記:YUMI

ライダーたちはブリーフィング。その間、使ったことのないストップウォッチの練習
(本選直前にこんなで大丈夫なんでしょうか?)



ブリーフィング終了と共に車両保管が解除された。すぐさまバイクを取りに行き、ピットロードで練習再開。出来るだけ本番に近いシミュレーションを行う為、今度はピットインから。

記:えみゅ〜

ブリーフィングからライダー3人が帰ってきて、車両保管解除となる。
フリー走行までの間に再びタイヤ交換の練習をするCompus。
今度は実際にSP-1にライダーが跨っている状態から給油→タイヤ交換→ライダー交代の練習。
ピットロードを見てもそんな練習をしているチームは他にいない。


記:YUMI

バイクが帰ってくると、すぐさまガソリン給油とタイヤ交換の練習に入り、さっき練習したばかりのストップウォッチで時間を計測しました。
最初は3分を軽く越えていましたが、回数を重ねると2'30以内でできるようになり、3分ピットも問題なくクリアできると思われました。
みんな汗だくになって、工具を回したりしているのを見ているだけで、私までハイテンションになってきました。やっぱりここは、不思議の国です。



フリー走行が始まるまで、とにかく時間のある限り何度も何度も練習した。意外にも、ここまでやってるチームは他に居ない。


フリー走行はおーた担当。タイヤ2セットの皮むきと最終的なピット作業の練習に当てる。

記:おーた

フリー走行はPIT作業の最終確認とタイヤの皮むきに当てることに。
まず計測無しの2周でピットインし、タイヤ交換してピットアウト。
次に1周計測の3周でピットインし、2回目のタイヤ交換。
作業は完璧だ!


記:えみゅ〜

9時から20分間のフリー走行で『タイヤ交換を含むライダー交代』の練習を2回行う。
決勝本番ではライダー交代するが、練習の為おーてぃ一人で走りきる。
ついでに新品タイヤの皮むきもして、ついでに決勝スタート時に使うホイールに履き替える一石三鳥の作戦。


記:とし

おーたさんがピットに入ってきてタイヤ交換の練習を行う。
仕事は給油サポートとリアタイヤ交換。
給油サポートを終えて本番さながらにリアタイヤの交換を行った。
作業グローブをして交換したがキャリパに触れた瞬間「ジュ!」の音と共に小指が焼けどしてしまった。
本番は軍手+グローブにせにゃ・・・。


記:まゆぞ

おーたさんがフリー走行に出て、タイヤ交換の練習をするというので、ヘルパーも実際の配置から動いてみることに。
消化器係、タイム計測係、ガソリンタンクの片付け方などシミュレーションして細かい動きや修正点を確認できた。



記:えみゅ〜

ピットアウトして行くSP-1を見送り、サインエリアへ。
1周目は無事に通過し、2周目にピットへ入ってくる。
ここからはヘルパーも本番さながらの練習となる。
SP-1がピットロード入り口のラインを通過すると同時にストップウォッチを押し時間管理の計測開始。
すぐにピットへ戻り作業を見守る。
給油→タイヤ交換と終わり2分30秒経過でライダーに「GO!」を出す。
再びサインエリアへ。
1周目、2周目と無事に通過し、3周目にピットへ入ってくる。
1回目と同様に練習し、そのまま走行を終了する。



フリー走行が終わると、すぐにスタート進行となる。
Compusは17番手グリッドからのスタート。


記:えみゅ〜

9時30分、いよいよスタート進行。
ピットアウトするとしを見送り、グリッドへ移動。
17番グリッドへ行くと、斜め前のアスファルトにオイル処理の跡が・・・
一応処理はしてあるが指定の場所からスタートすると丁度ライン上にあり、気分的には嫌な感じ。
オフィシャルに言うと既にスタート進行中の為、大掛かりな処理は出来ない模様。
それでも手作業で更にオイル処理をしてくれた。


記:おーた

いよいよスタート
アキラがグリッドの前の走行ラインににオイルがあるの発見し、オフィシャルと話している。
しばらくするとオイル処理が始まった。
「確認してください」と言われたので確認
スタート前なのに、チームはリラックスモードでいいねぇ。


記:とし

スタートライダーを務める事になった。
スタートがどうしてもやりたい訳ではないが、午前の部か午後の部の二者択一でどちらが良い?と聞かれ

・午前中なら気温が低い
・夕立など雨の確率が低い
・先に終わって高みの見物ができる

の理由から午前の部=スタートライダーとなった。
曇りで気温も高くなく午前中を選んだシナリオはバッチリ決まっていた。

サイティングが始まりコースイン。
グリッドに付くまで6速ノーブレーキ、MAX3000回転で周回し燃料の消費を抑える。
最終コーナを立ち上がると皆が迎えに来てくれている。
スタートライダーは悪いものではない。



記:とし

写真撮影会が始まり、俺はツナギなんでちょっとはかっちょ良く写るだろうか。
集合写真のときにおーたさんが居ないと思ったら、俺のためにイスを持ってきてくれていた。
至れり尽くせりだ。
スタートライダー選んで良かった♪


記:まゆぞ

スタートライダーとし。偉そうに椅子に座って記念撮影。



記:ガッキー

もて耐は本当にお祭りみたい。
1番盛り上がったスタート時が一番楽しかったかも。
祭りは準備が一番楽しいってことですか。笑


記:えみゅ〜

いよいよ時間となり、としにハイタッチをしグリッドを後にする。
ピットへ戻りモニターでスタートを見守るCompus。
フライングがいたものの無事にスタートし7時間の長い長い決勝が始まった。


記:まゆぞ

進行が進みいよいよ10:00スタート。モニターを見ながらドキドキする。
無事なスタートを確認して、サインエリアに移動した。


記:とし

前回までの耐久レースのスタートは静寂の中からマシンに駆け寄りエンジンをスタートさせる方式だったが、1分前にすでにエンジンをかけるらしい。
スタート時マシンに駆け寄る独特の足音と一斉にエンジン始動する演出が無くなってちょっと残念。

ウォームアップを軽く流し、いよいよスタート。
カウントダウンには目もくれず日章旗を見つめる。
目に入ってきたのは旗が振られる前に走り出している人たち。
『フライングやん・・・』と思いながらマシンに駆け寄る。
普通にスタートは成功し、長い道のりが始まった。



記:とし

しばらく単独走行で抜かれるより抜く方が多くなってきた。
順位は13番手
もう少し順位を上げたいと思いながら26周を淡々と消化していく。

最終コーナを立ち上がると1台のバイクに軽くブチ抜かれた。
RC30だ。
『にゃろ』と思い1コーナから2コーナまで着いていったが、RC30は2コーナの走行ラインにブラックマークを付けながら立ち上がっていく。
『タイヤ滑らしながら曲がってる...』さすが世界GPライダー宇川。
それでも出来る限り食らい付いて行きたかったがダウンヒルを過ぎる頃にはいなくなってしまった。
ラップショットを見ると5秒台が出ている。
『ヤバイヤバイ。体力温存せにゃ。』と思い6秒〜7秒のペースを守る。


記:まゆぞ

スタート時はかなり密集して走っているが、5周を過ぎると次第にばらけてくる。
なにしろ先は長い。
混雑を抜けると6〜7秒ペースで安定走行。この時間帯、日射しがなくて助かった。
としの走行は26周。サインボードは残り周回数をカウントダウン。下の段に順位を表示。
10〜19周ずっと13位。スタートから40分を過ぎると、徐々に給油に入ってくるバイクが出てきて順位も上がってくる。




スタートから40分が過ぎた頃、徐々にピットインしてくる車両が増え始めた。その間に、めまぐるしく順位が変動していく。まだコースにいるCompusはどんどん順位を上げていった。



記:とし

残り周回一桁となって来た頃、長時間のニーグリップとイン側加重のせいで、右膝に痛みを感じてきた。
体重移動も辛くS字の切り返しは全くスムーズじゃない。
ダウンヒルのブレーキングではニーグリップで体を支える事ができず、右膝をカウルに当ててタンクとカウルで体を支えるようになってきた。
姿勢が前乗りになっているためコーナリング時の姿勢はめちゃくちゃだ。
しかし痛みを緩和するにはこの方法しかなかった。
いかにタイムを落とさず楽に走る事ができるかを常に考えていたが、最後の方は順位とかタイムとかどうでも良くなってきた。

26周を消化しバイクを降りたときにはフラフラで、手はビリビリ痺れており右足は跛引いてやっと歩ける状態だった。


1回目のライダー交代。とし→おーた。

記:えみゅ〜

1回目のとしの走行。後半になると次々にピットインする他のチーム。
それによりドンドン上位になるCompus。
ついには5位まで浮上する。

そんな中、残り2周となる。

えみゅ:「もうサインエリアに行くけど。気をつけてね」

おーてぃに一声掛けハイタッチをしサインエリアへ。


記:ガッキー

事前にレギュレーション的に有利なことは聞いていたが、実際に上位を走行しているのを見ると興奮した。
ちょっと計算してみると、確かに表彰台は間違いないペースでどんどん盛り上がった。



記:まゆぞ

25周でボードにPPPPを表示。ちゃんと入ってくるか心配でコース上にも注意を払いつつ待つ。
ピットロードに姿が見えた。良かった。
ピットロード入り口の赤ライン通過でストップウォッチを押す。3分計測開始。
落ち着いて…とサインエリアからサインボードを抱えてピットへ移動。
ライダーに「30秒前」コールをすることになっている。
ふとウォッチを見る。
0:57’51”99
これに2分半を足す。
(ん?)
ぱっと見て2分半後がわからなくなる。
(アレ?)←この一瞬で頭が真っ白になった。
51秒の30秒後が何秒かも、2分も3分も区別がつかない。
(まずい!!)焦れば焦るほど何もわからなくなる。
給油は既に終わっている。
あたふたする間にものすごく時間が過ぎたような気がする。
(遅れたらまずい!!51秒の30秒後!51秒の30秒後!はー……21秒だ!)
もうそれだけを頼りに30秒前コールを出した。超小さな声で。
おーたさんはHIROさんと話していてまだバイクに乗ってもいなかった。
(あれ?おかしい(汗汗汗…)
えっ?て顔されて、声も出なくなる。
おーたさんがすごーくゆーっくりピットを出て行った。
(やばい!まずい!早かった!?まずいまずいっ)
何が何だか状態でピットをおろおろしていた。



記:まゆぞ

ふとピットの奥に行き倒れているライダーを発見。
手をふにゃっと挙げて助けを求めている。

とし「み、みず…、はやく」

しまった!走行後のとしを放置だった。
急いで冷たい飲み物を渡す。飲み終えると怒り出した。
とし「モー、なんですぐ来ないの!」
まゆぞー「だって3分計測だったから」
とし「そのあと!!」かなりご立腹。
まゆぞー「ご、ごめん…。」(ほんとにそれどころじゃなくて…)



おーたがコースインし、各チーム1回目の給油が終わった頃、順位は4番手になっていた。

記:おーた

としが順位を大幅に上げてピットイン。
「3分あるから」と思い、ゆっくりしていると「行け」と言われ、あわててバイクにまたがりピットアウト。
ピットロードを走りながら、「自分より先に入ったチームが後ろにいるのでおかしいなぁ」と思い、最徐行で時間を稼いでコースイン。
(ピットロードで渋滞にあわれたチームの方々ごめんなさい)

今、思えば一旦停止して確認すればよかった。


記:えみゅ〜

としは無事にピットインしライダー交代。
給油を終えピットアウトして行くおーてぃは妙に遅い・・・
遂には後ろに、抜くに抜けないバイクが・・・
『何であんなに遅いのかな?作戦??』などと思っているうちに、ようやくコースインし計測開始。



記:とし

とにかく右膝が痛い。1時間後の走行まで何とか回復しなきゃと思いながらモニタを見上げると4位になっていた。
兄貴に「としが走るとき3位になるから注目されるぞ〜」と言われ
『まじ!モニタに映るかな。注目されて〜』と思ってしまった。


記:まゆぞ

としと私はそのまま休憩に入った。としはニーグリップが強かったのか、右膝の内側を痛めていた。
つなぎを脱ぐのがとても辛そうだった。休憩中に氷水でアイシング。
おーたさんの後、またすぐとしの走行なので実質的な休憩時間は短い。
残り時間を確認しようとえみゅ〜さんのサインボードを見てみた。
(ん?残り4周。ってことはあと10分くらいで交代だ。)
休んでいるとしを急かしてつなぎを着せる。
しかし、またも私は間違っていた。えみゅ〜さんのボードは残り周回が下の段。
私は上の段に表示していた。私が残り周回だと思ったのは実は順位だったのだ。
暑い中、足が痛いのに10分以上も早くつなぎに着替えさせられた可哀想なとし。
本当にごめんなさいでした。


おーたが順調に走行を重ねる中、1名のオフィシャルがピットへ入ってくる。
どうやらおーたのピット滞在時間が少なかったようだ。
事務局の判断次第で、なにがしかのペナルティがあるかもしれない旨説明され、了解した。

HIRO:「ん〜、周回数減算とかだったらやだな〜・・・」

記:とし

ライダー交代の時間が迫ってきてるが一向に右膝の痛みが引かない。
ツナギに着替えて準備完了したところでオフィシャルと兄貴がもめてる。
どうやらおーたさんのピットストップ滞在時間が短かったらしい。
そう言えばタイムキーパーのまゆぞーも不安な事を漏らしていたので、オフィシャルの言う事は間違え無いのだろうと思っていた。


記:えみゅ〜

おーてぃは周回を順調に重ね、気付くと順位は4位。
予想外の上位に少しビックリ。周回を重ねても順位は落ちない。
途中、おーてぃの弟一家が来てくれたことを教えられたので、サインエリアから手を振る。

残り2周となりピットへ向けてサインボードでアピール。
まゆぞーは気付いて大きく○サイン。


記:おーた

今年は、走りが混乱していてお話にならないので、本番では無理をせずにつなぎ役が自分の仕事。
12秒〜14秒で走行してるため何台かに抜かれるが、不思議なことに順位が下がらない。
4位をキープしてとしと交代。

ピットに戻ると弟家族が来てた。ひさしぶり〜♪


2回目のライダー交代。おーた→とし。

記:えみゅ〜

おーてぃがピットロードに入ってきて予定通り時間管理の計測開始。
今回のとしへのライダー交代は給油のみの為、時間が余る。
ようやく2分30秒となり、としへ「GO!」サイン。
としは無事にピットアウトして行く。



記:えみゅ〜

ほっとしたのも束の間、#78の呼び出しがアナウンスされる。
『なになに?何事〜???』と思っていると

HIROさん:「さっきの交代でピット滞在時間が短かったみたい。その呼び出しだと思う」

えみゅ:「なになに?どゆここ???(混乱」

HIROさん:「おーてぃが出た後、オフィシャルに指摘された」

おーてぃ:「やっぱり。なんか早いなぁと思ったんだよね」

えみゅ:「じゃ、とにかく素直に従ってくればいいのかな?」

HIROさん:「よろしく」

という事で、弟一家に挨拶もそこそこにコントロールタワーへ。


記:まゆぞ

12時前におーたさんが残り2周となって、サインエリアに移動した。
としの出発を見送ったところで、#78のコントロールタワーへの呼び出しアナウンスがあった。
(やっぱりなー、やっちまった…)
あんなに楽しかったのに一気にブルーな気分。


記:えみゅ〜

コントロールタワー3階の大会事務局。
ここはいつ来ても気が進まない場所だ。大抵いいことは無い。

事務局で#78のチーム員であると伝えると、職員一人とナカニシさんが現れた。
『2対1かぁ。。。すごい肩身狭いんですけど・・・』

内容は案の定、ピット滞在時間不足。
『今回の罰則は何だろう。。。罰金かなぁ、減周かなぁ・・・』

職員から1枚の通告書を提示され、そこには違反内容と罰則が記してある。
それによるとペナルティストップ60秒との事。
正直、罰金を覚悟していたので『ナニソレ?』状態。
今まで経験した事がない罰則なのでどうするのか聞いてみる。

職員さん:「12時15分にこちらでブラックボードを提示しますが、チームでもピットインサインを出してください」

えみゅ:「わかりました(ってあと5分しか無いじゃん!急いで戻らなきゃ(焦」

通告書にサインし、急いでピットに戻る。

皆に事の次第を説明し、まゆぞーにピットインサインを出す準備をしてもらう。


としのコースイン後、ストップ&ゴーペナルティと告げられ、ちょっとホッとした。

もう少ししたらブラックボードを出すとの事。

HIRO:「としちゃんと分かってくれるかな〜。。」

記:まゆぞ

案の定ペナルティーとなる。コントロールタワーから戻ってきたえみゅ〜さんに
「12:15にブラックボードが出されるから、こっちからもタイミング見て念のためPサイン出して。」
と言われた。
ポストが遠いのでブラックボードが出ているのか確認できない。その間、2周分としを見逃してしまう。

残ラップ19周と18周でPPPPを出す。(お願い、気づいて〜)
としはすぐにピットロードに入ってきた。
えみゅ〜さんによると、やはりピット滞在時間不足。29秒早かったようだ。私が丸1分早くGOを掛けたことがわかった。


記:とし

4位のままコースイン。
走り始めから右膝に激痛が走る。

『くぅ〜辛い』

1周は激痛だったが2周目から激痛は麻痺してきたが痛いものは痛い。
1本目より少しペースを落とすも順位を気にしながら何台もバイクを抜く。
しかし抜いても抜いても4位のままだ。

『くそ〜3位はどこだ(俺は注目されたいんだ)』と思いながら周回を重ねると、ホームストレートで「ブラックボード78」が掲げられている。

『あちゃ。やっぱペナルティか』即座に察した。

その周3〜4台は抜いただろうか。かなりペースを上げて戻ってくる。
ピットロードでアキラさんと兄貴が前に行け行け、車速落とせとジェスチャーしている。

『はいはい。わかってますよ〜。』

ペナルティストップエリアには1分の時計表示がされている。
この時間を有意義に休憩させていただく。
エンジンを止め腕を回して体をリラックスさせた。


記:えみゅ〜

としはたまにピットインサインを見逃すので『とし気付いてくれるかなぁ』と少し心配になる。
そんな不安をよそにとしはスンナリピットロードに入ってくる。
ピット前ではHIROさんとアキラさんが『減速してそのまま行け!』のジェスチャーをしている。
としは『ハイハイ』という様子でそのままピットロード出口へ。
60秒のペナルティストップ後、再びコースインし走行再開。


記:とし

ペナルティを受けてからホームストレートに戻ってきてサインボードを見ると、6位になってる。

『げろっ6位!?』

3位で注目されるどころか順位が下がってる。
体に鞭を打って攻めたいところだったが、体力と筋力が持たない。
しかし気を緩める訳には行かない。
楽に走る為いろいろ考える。
今思うと走行中に考える事ができるほど余裕が出来る自分に感心する。
とりあえず減速Gをこらえるところは、比較的使っていない腕で支える。
どのコーナでもバイクの向きが変わってからアクセルを入れるようにし、体に負担がかからないように走り出した。
順位は4位に戻っている。
『3位はどこだ〜』とそんな事を考えながら残り周回6ラップとなる。


記:まゆぞ

その後としは8〜9秒ペースで走行。晴れてきて暑くなったが17周頃にはまた4位をキープしていた。
私がヘマした分、あとは順調に頑張ってくれ〜と祈った。


ピットインのペナルティで6位に順位を落とすも、その後順調に走行を重ね、再度4位に浮上!その走行も終盤となる頃・・・

記:まゆぞ

残り5周、としが戻ってこない!えみゅ〜さんに合図してピットへ確認を頼む。


記:えみゅ〜

としの走行も終盤に差し掛かった頃、サインボードを出すはずのまゆぞーがその体制のままピットを見ている。
瞬間、『なんか変・・・』と感じる。

えみゅ:「なんか、やばいかも・・・」

モニターを見ている面々に聞こえるように一言残し、サインエリアに行くと「としが帰ってこない」という。

『やっちまったのか。。。?』


えみゅ〜:「なんか変!」サインエリアへ駆け出すえみゅ〜。

見ると、まゆぞ〜が×のジェスチャー。

としが帰ってこない!

HIRO:「転倒!?まさか・・・」

記:とし

S字を立ち上がると前方では3台のバイクが固まっている。
1台は後方排気なのでダウンヒルでさっさとパス。
『ダウンヒルエンドで2台まとめてパスしよっ』
と思ってラインを大きくイン寄りに取っていつもどおりパス。
オーバースピード気味を抑え、安全マージンを取るつもりでフロントを引きづったまま入って行った。

ズルッ『!!!』

マシンはフロントから滑り出し転倒。グラベルへ。
速攻オフィシャルが駆け寄ってきた。体は全く問題無い。
バイクを起こしてもらいマシンを見るとブレーキペダルが折れており、ハンドルが少し曲がっているだろうか。

『軽傷だ』とそのとき思った。

オフィシャルから何か漏れている事を伝えられるが、キャッチタンクの水が漏れたのだろうと思いながらコースへ復帰する。
残り5周を残して俺の耐久は終了した。


モニタを見ると、90度アウト側のグラベルでバイクに跨るとしの姿が映し出される。

HIRO:「あぁ・・やっちゃってる・・・」

そのままゆっくりとコースへ復帰するとし。ライダーは無事らしい。転倒か?オーバーランしただけか?破損の状況は?

記:おーた

次の走行に備えて、交代予定時間15分前に準備しストレッチしていると、えみゅ〜が「なんか変」とサインガードのほうを見てる。
モニターを見ると、オフィシャルのサポートで再スタートするとしが映し出されている。
「やっちまったな〜」。


記:えみゅ〜

HIROさんによるとコースアウトしたものの復帰したとの事。
そうこうしているうちにとしがピットへ入ってきた。

『ドナドナじゃないから大丈夫なのかな?』

一見バイクには損傷が無いように見えたのでとりあえず戻ってきたのだと思った。
ところがよくよく見てみると右側のカウルが傷だらけ。
アンダーを外すとグラベルが入っている。
状況が理解できず何も出来ずにいると、身重のまゆぞーがそのアンダーを受け取りグラベルを捨てに行く。
テキパキ働くまゆぞーを見て、はっと我に返り『ご、ごめん・・・』と思う。


記:まゆぞ

まもなくHIROさんがこっちに走ってきて
「とし、止まったけど今コースに戻った。」
と教えてくれた。コースに戻れるようなら大事に至ってないだろうと一安心。
そのまま5周を残してとしはピットに戻ってきた。
今度こそ3分計測間違えないぞと思っていたが、タイヤ交換中のバイクに近づいてみると、何かシューシュー言ってる。
ラジエターが噴火してる。非常事態だ。
としの方は「軽く転けただけ」だと言っており、怪我はなかった。膝は更に腫れてたけど。


記:ガッキー

「戻ってこない」と聞いても一瞬「そんなバカな」と思った。
人間信じたくないことは信じないように出来ているらしい。
これで少なくとも上位は望めない。
残念だが頭を切り替えて残りのレースを楽しもうと思った。
バイクは大したことないようだしw
と思った直後の惨事。

「え、レースってコレで終わっちゃうもんなの?」

またもやとりあえず信じないでみた。


とりあえずおーたには準備だけしておいてもらい、としの帰りを待っていると、VTRに乗ったとしがピットインしてきた。

グラベルで破損したラジエターから蒸気が噴き出している。

目の前に停止したVTRを見た瞬間、「終わった」と思った。

転倒の状況を聞きながら破損状況を確認する。

右ラジエター×、右ステップバー×、右ハンドル締め直し。以上。

ラジエターを交換するにしても、エンジンが冷めない内は外せない。とりあえず予定通りタイヤ交換を先に行う。


ハンドルの位置を修正して締め直し、ステップバーを交換する。

HIRO:「あとはラジエターか・・・」

おーたはスペアパーツをあまり持たないし、持ってても使えない事が多い。

記:えみゅ〜

状況は見た目より悪い。ラジエターがマジで壊れたらしい。
蒸気がシューシューいっているという。
スペアラジエターなんて。。。
!!そう、あれは家を出る直前の事・・・



えみゅ:「忘れ物ない?」

おーてぃ:「大丈夫なはず・・・一応これも持って行くか」

えみゅ:「なにそれ?」

おーてぃ:「ラジエターのスペア」

えみゅ:「それが使われない事を願うよ・・・」

おーてぃ:「まー、使わないと思うけどね〜」



なーんてやり取りがあり、スペアを持ってきていた。


HIRO:「ラジエターのスペア持ってる?」

おーた:「どっち?」

HIRO:「右」

おーた:「ある!」

ラジエターの交換を指示し、おーたの持ってきたラジエターをチェックする。

HIRO:(なんか妙に歪んでるけど、これ本当に使えんのかな・・・)


半信半疑でラジエターを交換し、エンジン始動。

今付けたばかりのラジエターから水がドバドバ漏れてくる。

この瞬間、「マジで終わった」と思った。

HIRO:「さっきのより漏れるんだけど・・・」

ピットに落胆の雰囲気が流れる。

記:えみゅ〜

『マジで使う事になるなんて・・・でも持ってきてて良かった〜』

ラジエターをスペアと交換し、水を入れ、エンジン始動!

ドボドボドボ・・・

交換前より状況が悪化したらしい。。。『だ、ダメじゃん・・・』


記:おーた

ピットに戻ってきたバイクをみるとラジエータから水漏れ。
家を出るときに、えみゅ〜に促され持ってきたスペアラジエータの登場となるが、右か左のどちらかがダメだったような記憶が。
水漏れしている右側を取り出し、クルーに渡し交換をお願いする。
交換後、水を入れてエンジンをかけたところ水漏れ。
使えるのは左だった。


記:まゆぞ

スペアラジエターに交換してみたけどダメだったようだ。
HIROさんがバイクを背にして、手で×を出した。

(終わった…)

1時過ぎ、レース続行を断念。とても信じられない。あんな小さな穴ひとつで終了なの?


すっかり諦めたHIROとは対照的に、アキラが金属パテでラジエターの修理を始めた。

記:ガッキー

スペアがあると聞いて歓喜し、作業にとりかかるもスペアがよりひどいというまさかの事態。
今度こそ終わりか…一瞬盛り上がっただけにガックリ。

しかしアキラさんはさすがだ。

全く諦めずに「どうしたら走れるか」を考え、実行した。

その姿勢は見習わなければならないと思った。


記:えみゅ〜

『今年のもて耐、ここで終了なのかな・・・』と思ってしまう。
それでもまだ諦めずにラジエターの修理を試みる事に。
アキラさんが金属パテで穴を塞いでいる。
パテが乾くまで時間が掛かるのでとりあえず14時まで待つ事に。
これがうまくいけば作戦表のHIROさんの走行から走れるかもしれない。
こうなったら待つしかないので十分に休息を取る事にする。


記:まゆぞ

でもまだ半分諦めていない。アキラさんがラジエターの修理をしていた。
固まるまで乾燥させる。14:30まで待つことになった。
心の中では、かなりがっくりなのだろうけど、みんなでのんびり、楽しく昼食タイムとなった。



埋めたパテを太陽に当て、乾燥させている間、まったりとした時間が流れる。

記:ガッキー

昼食を食べ、「あとは楽しもう」とリラックス。
何度もラジエターをいじっていたが、アキラさんと石川さんが確実に自分より手際がよく、3人いても意味がないので後半は遠目から見ていた。

役に立たなくてすいません><



何時間乾かしただろうか。レースはいつの間にか知り合いのR6がトップに立っていた。順調に行けば俺達だって・・・

記:とし

ラジエター乾燥中ピットでまったりしていたら、アナウンス中継のおねーさんにメールを出すと読んでくれるみたいなので、えみゅ〜にアドレス聞いて携帯から出してみた。

題名:#78コンパスです
「90°コーナーで転けました。転けた本人の第2ライダーから報告します。
 走行はスタートライダーが第2→第1→第2→第1→第3→第1→第3チェッカーの作戦でしたが、
 2回目第2残り6周でやっちゃいました。
 低速握りゴケなのでダメージは軽いと思いましたがサイドに付いているラジエターに穴開けちゃいました。
 只今穴を塞いで乾燥中です。
 塞がれば再スタートします。

 耐久中、ライダー含めチーム全員でお昼ご飯をいただきました。
 早く塞がってくれ〜。
 そしてチームのみなさん転んでごめんなさい。」

長文なのでうまい具合いまとめて読んでくれるかな〜と思ったら、棒読みで全部読んでくれてる。
転けてラジエター補修中の事は理解していただいたらしく、おねーさんも応援してくれてちょっと嬉しかった。
メールの効果か、テレビモニタには修理中(ラジエター乾燥中)の誰も居ないVTRが映し出されている。



塗ったパテがなんとなく乾いた風になり、再度装着して確認する。

チェッカーまで残り3時間。次の出走はまだ1度も走ってないHIROに変更。その後最終走者のおーたに交代する。

ラジエターを装着している間、すっかり諦めていた走行の準備を始める。

エンジン始動。傷口からポタポタと流れる水・・・。

この瞬間、「ハンパなく終わった」と思った。

記:まゆぞ

金属パテ固まったかな〜?
HIROさんが15:00から走れそうな体制となった。HIROさんも走れてよかったー。
と、思いきや、う〜ん、やっぱりダメだったみたい。再度別の方法で修理。



それでも諦めないアキラ。今度は問題の水路を両サイドから塞ぎ、液体ガスケットで固める。

記:おーた

スペアは持ってなく、VTR-SPを使ってるのはうちだけなので修理するしかない。
金属パテで修理するがダメ。
アキラの提案で水路を潰して穴を塞ぐことで何とか修理完了。
クルーに助けられた。



記:えみゅ〜

結局15時まで待つが金属パテでの修理ではダメなのが分かり、最後の手段として穴の空いた水路を潰す事にする。
水路が減ると水温上昇が懸念されるが、「1個ぐらいなら何とか大丈夫かもしれない」との事。
その結果、何とか走れる状態になる。
のんびりモードから一気にレースモードへと変わるピット。


今度こそのエンジン始動。アイドリングで漏れてくる気配はない。

HIRO:「あれ、走れんの?」

記:えみゅ〜

作戦表ではこの時間帯はおーてぃが走る予定だが、HIROさんに変更。
周回数も変更し、最終ライダーはおーてぃになる。

『今日1回も走れないのかな?』と思っていたHIROさんも走れる事になり良かった。
『このまま終わっても仕方ないか』と諦めかけていたが、走れるようになるとやっぱりチェッカーを受けたいという欲が出てくる。


記:まゆぞ

多大な努力の結果、なんとか穴が塞がったようだ。
HIROさんが準備を整えメカニックに色々確認を始めた。バイクの様子がとても心配そうだったが、
こちらは(レースに戻れる!やったー!)と気持ちは既にウキウキ再スタートしていた。


ツナギに着替え、水温を確認し、アクセルを煽ってみるが、漏れてはこない。

走れる!チェッカーまで残り2時間を切った。予定周回は計測18周。

記:まゆぞ

バイクに人が集まっていたせいか、放送の実況が流れる。
おねえさん「#78CompusRordRacingどうやら再スタートしそうですねー。」
長時間の耐久ならではの注目のされ方だな〜と思う。
レースそのものの勝負は既についているが、Compusが諦めなかったように、それぞれのチームが順位だけではない何かを目指して頑張っているんだろうなーと感じる。


記:とし

おねーさん「ゼッケン78コンパスロードレーシングどうでしょう。未だ再スタートできませんねぇ〜」
と言ってたので、
『直ったんでメールすっか』と思い、

題名:#78コンパスです
「穴塞がりました」

『そーしんっと』

兄貴がバイクに跨り出発するときにおねーさんから、安堵と激励の言葉をいただきました。
『よしよし。このまますさまじい追い上げを見せてそのまま注目されなさい。』
と兄貴を送り出した。



このままノートラブルならせめて完走は出来そうだ。コースインし、コーナーは慎重に、ストレートだけ全開にして負荷をかけ、一旦ピットイン。

ラジエターから水は漏れてない。今度こそ大丈夫なようだ。

この瞬間、「実は終わってない」と思った。

ガッキー:「パッドピン緩んでるで締めます。」

HIRO:「あっそう、了解。」


HIRO:「・・・ちょっと待て。」

HIRO:「なんでそんなとこが緩んでる!?」

ガッキー:「いや〜、なんででしょう。もう締めたから大丈夫っすよ。」

HIRO:「大丈夫っておめー・・・」

HIRO:(何か、非常に不安なんだが・・)

コースインする気になれず、バイクに跨ったまま何度もキャリパーを見つめるHIRO。

みんな:「だいじょぶだいじょぶ(笑)」

HIRO:「いやだって、パッドピン緩んでるって・・・」

みんな:「はい、おっけーい!(笑)」

記:ガッキー

なんとかラジエターが直り遂に走り出したCompus。
アナウンスで取り上げられて、盛り上がった。

HIROさんが走り出したと全く同時、担当オフィシャルの方にキャリパーのパッドピンの緩みを指摘された。

意味がわからない。
どうしてそんなところが緩むって言うんだ。
知らないバイクなのでオフィシャルが言っているのがどこのことかもよくわからず、慌てて誰かに聞いて準備した。

戻ってきたバイクを見ると確かに緩んでいる。あなおそろしや。

一応全てのピンをチェック。うん、おkw

親指を立てオッケーサイン

HIROさんはものすごく不安そう。

完全にノリノリで「だいじょぶっすよw」なんて言ってたけど、薄々乗る側だったら怖くてたまんねえとは気づいてました。

すいません><



HIRO:「ぜってーだな!」


しょうがないからコースイン。

この瞬間、「終わるのは俺なんじゃないか」と思った。

記:おーた

残り2時間弱で、HIROが1周して確認するためにピットアウトしたあと、オフィシャルから「右側のパッドピンが1本抜けてる」と告げられ、あわててスペアパーツの中からパッドピンを取り出してガッキーに渡す。
ピットインしたマシンを確認してみると右側キャリパーのピンが1本無い。
「バックプレートもついてるのになんで抜けるのだ」と思いながら、
残り3本のピンも緩んでないか確認する。


HIRO:(ったく人ごとだと思って・・・)

ブレーキと水温に気を付けながら走行していたが、どうやら問題無さそうだった。

HIRO:(じゃ、行きますか。としのヨンパチやっつけに。)

記:まゆぞ

いざVTRがコースに出て行くと、チーム全体が再びの高揚感に包まれる。
73周で止まっていたCompusは28位だった。モニターを見ながら、トラブルでストップしているらしきチームの周回数に少しずつ近づいていくのが楽しかった。


少しずつペースを上げていこうとするが、フロントに違和感があり、思うようにタイムが上げられない。
8秒から9秒の間をうろうろし、たまに7秒へ入る程度。
ブレーキングで気持ちよくボトムさせられず、1次でうまく曲げられない。

HIRO:(なんなんだこれ、予選時はこんな事なかったのに・・・)

そんな事とは知らず、サインボードは容赦無くUPサインが出されている。


HIRO:(わーっとるわい!これでも頑張ってんだっつーの!)

記:まゆぞ

HIROさんのタイムが思ったより伸びない。ヨンパチヨンパチってしつこかったので(笑)ある程度は攻めてくるだろう思っていたのだが、やはり転倒時に何らかのマシントラブルがあったのかもしれない。



せめてレース中のベストタイムは更新したかったが、どうにも攻められる状態にならず、歯がゆい。

これに業を煮やしたピット。


HIRO:(あのすいません、既にあっぷあっぷなんですけど・・・)

記:えみゅ〜

HIROさんの走行が残り2周となったのを確認し、いつも通り

えみゅ:「もうサインエリアに行くよ。気をつけてね」

おーてぃに一声掛けハイタッチをしサインエリアへ。


なんともふがいない18周を終え、ピットへ戻る。

記:YUMI

順調に進んでいた途中トラブルがあり、復活できないかと思われましたが、残す時間2Hというところで復活できました。
HIROさんの周回数は20周となってしまいましたが、なんとか私の初めてのボード出しもできそうですo(^-^)o
えみゅ〜さんとメカニックの石川くんにご指導を受け、どうやら無事に終了しました。
しかし、はたと思い返すとボード出しに気をとられてしまい、HIROさんの走る姿を前回のように細かく覚えていません。
ガッツリ見ていなかった自分に気付きガッカリしました。
無念です・・・。


記:えみゅ〜

HIROさんがピットロードに入ってくるとYUMIさんは時間管理の計測開始と共にピットへと戻っていく。
サインエリアから給油→ライダー交代を見ていると、2分30秒経ったらしい。



給油のみ行い、チェッカーへ向けておーたコースイン。

記:えみゅ〜

おーてぃはこちらを見て左手を上げてピットを後にする。
私もおーてぃに右手を上げてその姿を見送る。
コースインと共に計測開始。
『とにかく無事にチェッカーを受けられるように、ラジエターが持ってくれるように』と願う。


記:まゆぞ

おーたさんにバトンタッチ。これで完走扱いにならなくても、なんとかチェッカーを受けることができる。喜!


記:おーた

さて、最後の走行。 予定ではチェッカーを受けるのはHIROの予定だったが、いろいろあったため自分の担当に。
転倒の影響か、フロントに違和感があるのとマシンがちょっと遅く、ストレートでBMWに置いていかれる。
とにかく、「無事にチェッカーを受けよう」と思い淡々と走る。


記:えみゅ〜

途中、ストレートを通過する時におーてぃが左手を上げるのを目撃。

『今、手上げたよね。。。やっぱなんかダメなんかな???』

えみゅ:「今、おーてぃが左手上げてたんだけど、もしかしたら次の周戻ってくるかも」

すると、アキラさんはピットへ戻り皆にその旨伝えて作業の準備をして待ち構える。
しかし次の周、おーてぃは何事も無かった様に通過。次の周も通過。

えみゅ:「なんか、大丈夫みたい(汗」

アキラさん:「さっき1台抜いたから手を上げたんじゃない?」

えみゅ:「お騒がせしました〜」



無事予定周回をこなしたおーたをみんなで出迎える。

そして午後5時を過ぎ、7時間の戦いにチェッカーが振り下ろされた。

記:えみゅ〜

一瞬、ビックリしたがその後は周回を重ねいよいよチェッカー。
弟一家にも声を掛けてもらいサインエリアから皆でおーてぃに手を振る。
おーてぃは左手を上げ答えてくれた。


記:まゆぞ

やっぱりチェッカーの瞬間は何位でも涙が出そうになる。リタイアじゃなくて良かった!
色々あったけど、楽しかった〜!という気持ちで満たされた。


記:ガッキー ピットロードでおーてぃさんを待つ。

トラブルはあり、順位は狙っていたものとは程遠い結果になってしまったが、チェッカーフラッグを受けられてよかった。

みんなで共有する充実感がスプリントとは一味違った。

記:おーた

そして、チェッカー。
パークフェルメではみんなが出迎えてくれた。
「おつかれさま!!」と全員+弟家族と握手する。
「いやぁ、今回もいろいろあったな。」


記:えみゅ〜

早速パークフェルメに迎えにいく。
暫くしてSP-1とおーてぃが戻ってきた。
迎えるCompusもおーてぃも皆が笑顔だ。
何よりチェッカーを受けられた事が嬉しい。
無事に走りきれて良かったという安堵感と同時に一抹の寂しさを感じる。
『良かった〜、楽しかった〜、あぁ、もう終わっちゃったんだ〜』

こうして今年も波乱に満ちたCompusのもて耐は幕を閉じた。



結果、26位完走。こうして、Compusの09もて耐は幕を閉じた。





記:えみゅ〜

やっぱりCompusのもて耐は色んな事が起こる運命なんでしょうか。
何事も無いスムーズなもて耐になった事が無いような気がします(笑
それでもその度に色んな人が助けてくれて支えてくれて何とかなる事が多い事に感謝しています。
いつもいつも自分は何でこう出来なかったのかと後悔する事ばかりです。
大人になると大人数で一緒に一つの事をする機会は減ってしまいますが、こうして今でもそういう機会があることはとても貴重な気がします。
もて耐のエントリーが決まってからの数ヶ月間、常に頭の片隅にもて耐がありました。
不安と同時に楽しみでもありました。
だから終わってしまった今、少しの寂しさを感じるのかも知れません。
今年のCompusは少人数ながら皆がそれぞれに役割を果たし、本当に良いチームワークだったと思います。
それと大きな怪我がなかった事は本当に良かった。
応援してくださった方々、助けてくださった方々、クルーの皆さん、ライダーの皆さん、ヘルパーの皆さん、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。


記:まゆぞ

『転んだのに、楽しかった!』
今シーズンは、これまで参加した中で一番楽しいモテ耐だった。
バイクは予選までで順調に仕上がり、ライダーも大きな怪我がなかった。
チームとしてベストに近い状態で、気分良く決勝に臨むことができたと思う。
少人数で大変なところもあったけれど、決勝直前のタイヤ交換の練習にも見られるように、レースには本気で、楽しむ気満々。緊張はしてもピリピリしない絶妙なバランスが心地良かった。
決勝レースでは、転倒して思うような結果は得られなかったけれど、諦めずにしぶとく完走するところ、Compusは本当にすごいチームだなと思う。
『今度こそ、もうダメか』という状況からチェッカーを受けることができて、ものすごく『やった』感があり、みんなが「来年こそは!」と言ってしまうほど、悔しいけれど楽しいレースだった。
最後に。今回は私のミスが遠因となって、転倒を引き起こしてしまい、とんでもないレースになってしまいました。
チームのみんな、手伝ってくれた方々、応援してくれた皆様に本当に申し訳なく、心からお詫び申し上げます。
3分経過表示できるストップウォッチ買ったので、こんどこそ大丈夫です。(^_^;


記:YUMI

こうして私の初体験の夏は終わりました。
バイクレースは孤軍奮闘ですが、もて耐は団体勝負です。
ライダーがいて、メカニックがいて、ヘルパーがいて出来る挑戦なんだとつくづく思い知らされました。みんなで一つのことをやるって楽しいですね。
新参者の私を温かく迎え入れてくれたcompusの皆々様、本当に感謝しています。
ありがとうございました。


記:ガッキー

当日ぐらいしかまともにお手伝いできず、心苦しい限りですが、本当に楽しかったです。
あんなに大勢であんなに長い時間戦って、チェッカーを受けるのは特別ですね!
今回は不本意な順位でしたが、来年リベンジするなら、是非参加させて頂き、お役に立てればと思います。

今回は呼んで頂いてありがとうございました。
そしてCompusの皆さん、本当にお疲れ様でした!


記:おーた

結果は得られなかったが、なぜか充実気分。
「このチームで、もう一回やってみたいな」と思えるくらいチームの雰囲気が良く、マシンも良く走り、楽しかった。
チャンスがあればまた出たいと思うが、一年後は、それぞれの環境が変わっていると思うので、そうもいかないかもな。
協力してくれた皆さん。チームのみんな、ありがとうございました。


記:とし

転けた理由を心理的要因で分析すると次のとおりとなる。

4位で走行
 ↓
内澤兄:「3位になるから注目されるぞ〜」の甘い誘惑に洗脳
 ↓
とし心理:3位を目指す
 ↓
まゆぞ:ピットストップ滞在時間を間違える
 ↓
ペナルティストップで6位に転落
 ↓
とし心理:慌てる
 ↓
4位浮上
 ↓
とし心理:悪魔のささやき「3位は注目されるぞ〜」>天使のささやき「このまま安全に走行して」
 ↓
とし心理:3位を目指す
 ↓
無理して転倒

よって心理的には内澤兄とまゆぞーにより転倒をまねいたものと考察される。
特に甘い誘惑で俺を洗脳した兄貴はA級戦犯である。
全く内澤家は太田家に迷惑ばかりかけている。
ごめんなさいおーたさん。そしてピットクルーのみなさん。


記:HIRO

もて耐に参加していなかったこの3年の間、としも俺もかなりライディングスキルが向上してたし、レギュレーション的におーたのバイクがかなり有利なクラスだったので、今年こそはイケると思っていた。
途中までは机上の計算通り進んでいたし、あのまま最後まで順調に走行を続けていれば表彰台は間違いなかった。
それもこれも全て台無しにした弟に全責任があるのは言うまでもない(笑

しかし、一番悔しいのは当の本人だろう。
来年もまたチャンスがあるなら是非チャレンジしたいと思う。







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