トシ
作成日：99/06/17
更新日：99/06/19
アキラが７耐に出場出来ないと知った日から既に２週間が過ぎようとしていた。その間、俺は今年の７耐について涯分武略をめぐらしてきた。
チームの要。最大の戦力であるCompusのエースライダーが一緒に出られない。
知った直後に混乱していた頭の中も最近になり、やっと整理がつき始めた。
チームとしてアキラが出られないのであればおーたと２人で出るしかない。それが嫌なら今年はやめるか？
Compusとして。Compusらしく。そんな事ばかりに気を取られ、こだわり、一番大切な事を忘れていたような気がする。
Compusとして？Compusらしさ？大体、Compusって何なんだ？
自らが作り出した「チーム」と言う形の無い圧力に、自ら押しつぶされる所だった。
俺らはみんな個人的にロードレースを楽しんでいる。チームは名前だけのもので、発足したからといってそれに縛られ、活動そのものに影響を与えるものではいけない。
世間で一般的とされている組織的なものをチームと言うならば、Compusはチームではない。俺らは単なる仲間。Compusは３人の総称であるだけだ。
しかし考え方やこだわりを捨てても残るのがお金の問題。２人でやるのは精神的，体力的にもそうだが、やはり資金面で辛くなる。
沢山居る知り合いから第３ライダーとして迎える余裕もない。ましてやお金の相談など出来る訳がない。
おーたと話した結論。トシを第３ライダーとしてエントリーする。
解説
トシ。俺の弟で、去年の７耐マシン、ＦＺＲを受け継いだ人。去年の７耐はヘルパーとして手伝ってくれた。
関係ないが、峠では彼に楽勝でぶっちぎられていた。
彼ならお金の話も含めて相談出来る。そう思った。
５月３１日、月曜日。彼からＯＫの返事をもらう。去年を知っている彼は順位的な事を心配するが、そんな事は問題ではない。
去年は去年。今年は今年。バイクも違えば人間も違う。去年とはまったく違った耐久となるだろう。しかしそれはやってみなければ分からない。
ただ、去年以上にという意識は持っていない。今年は今年のやり方で耐久を楽しむだけだ。
ちなみに、トシはレース経験が無い。（爆）
以上
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