スポーツ走行(7月18日)
作成日:99/08/04
更新日:99/08/14

7月17日。土曜日。
翌日のスポーツ走行に備え、今回も前日からもてぎ入り。
明日は念願のパイロットレースを履いて走る。タイヤを変更する為、一旦前後サスのセッティングをノーマルからやり直す事にする。
前後ともダンパーと油面は今の状態から変えずに、7o突き出してたフロントをノーマルに戻し、イニシャルもノーマルの4段目に戻す。
リアはバンク角も気になる為、5o上げていた車高はそのまま。イニシャルはノーマルと同じ最弱から2段目とする。

又、いくら走っても針の上がらず、かなり信憑性の無いノーマルの水温計が怪しすぎる為、デイトナのデジタル水温計を付ける。


これがミシュランのパイロットレース。前後ともフルバンク付近の路面接地部は溝が無く、見た目はスリックと同じだ。


フロントのローテーションは、パターンのイメージとは逆になる。リアは普通。
ちなみに空気圧はフロントの方が高い。おフランス製は色々と勝手が違うようだ。


準備万端。あとはガソリン入れて走るのみ。明日は2週間ぶりの走行だ。午前中の2本を予約してある。
しかし、明日の天気予報は曇りのち雨。せめて午前中だけでも、もって欲しい。

夕暮れのパドックを後にして、先に風呂へ入り、いつもの所で飯を食う。
北ゲートへ戻り、車で酒を飲んでいると、やがて雨が落ちてくる。

頼む。1本だけでもドライで走らせてくれ。
切なる願いを込め、夜11時過ぎ、眠りに就く。



明けて朝。昨晩降った雨も上がっているが、今にも降り出しそうな空模様。とりあえず路面はドライ。
今日はトシがVTRに初ライドする。初対面のツネさんとチーフメカニックのすぅさんも合流。

1本目の走行は9時半から。なんとか午前中はもってくれそうと思った瞬間、9時をまわった所で無情にも雨は降り始めた。
走行時間まであと20分余り。路面は徐々に雨粒で黒くなっていく。
しかし、走りたい気持ちを押さえる事は出来ず、パイロットレースのまま出ていく事にする。

9時30分。レーサークラス1本目の走行開始。慎重に周回する。計測開始から1周目のタイムは2分33秒。
雨は次第に止んできた。路面コンディションはハーフウェットからドライへと変わり始める。
2周目、28秒。3周目、25秒。4周目、21秒。ここで赤旗中断。ピットへ戻る。

この時点で路面はほぼドライ。もっとイケるはずなのは分かっているが、体が反応してくれない。こんなタイムではタイヤのフィーリングも掴めないが、とりあえず突き出しをノーマルに戻したのはやりすぎたようだ。コーナーの立ち上がりでフォークが突っ張るような感覚となり、はらみがちでアクセルを開けていけない。進入もなにか頼りない感じ。
コースクリアとなり、再びコースインするが、22秒で2周した後、走行が終了する。タイヤの皮むきを終えた程度の1本だった。

雨は完全に上がり、晴れ間が出てくる。当然、ばっちりドライ。パッと降ってパッと止む。おなじみのもてぎウェザーに翻弄された1本となった。

続いてプロダクションの走行。おーたが走る。フォークの突き出しを変えたかったが、時間も無いのでとりあえず同じセッティングで行く事にする。
トシはFZRで出動。午前中はFZRで走り、体が慣れた所で午後からVTRに乗る予定だ。

10時20分。プロダクションクラス1本目の走行開始。1周目24秒から21秒、19秒、17秒、15秒と2秒ずつ縮めていく。トシも順調にタイムを上げてきている。しかし、7周した所で赤旗中断。一旦ピットに戻る。

俺:(さすがにこんだけ台数多いと赤旗も増えるな・・・。)

等と思いながらモニターを眺める。130Rで大破した転倒車のレッカー積み込み作業が映っていた。ライダーの姿は見えない。

俺:「うわぁ。130でやっちゃったんか。バイクボロボロだな。」

アッパーカウルは飛び、サイレンサーが思いっきり上を向いている。Jhaチャンどころではない。

俺:「・・・ん?」

俺:「あ、あれって・・・・。」

ステアリングが切れず、レッカーへの積み込みに苦労しているそのバイクのシートカウルには78番のゼッケンが貼られている。

俺:「トシじゃんかっ!」

「チームコンパスの方、至急メディカルセンターへお越しください。」

アナウンスが流れる。

俺:「俺、メディカル行ってくるわ。」

メディカルに走る。

俺:(んったくもぉ〜。シャレんならんがなしかし・・・。)

どーでもいいが、メディカルに呼ばれたのはこれで2度目である。

メディカルセンターに着くと、いつもの看護婦さんに挨拶をする。暫くするとトシを乗せた救急車が到着する。
後部座席に座っていた為、とりあえず一安心。自分の足で救急車から降りると、診察台に座せられる。

眼鏡で傷を付けた、額から流れる血が痛々しいが、とりあえず骨折などはしてなさそうなのでホッとする。
流血している部分を消毒してもらうだけでメディカルを出た。

ピットへ戻ると、ツネさんがFZRを掃除してくれていた。


サイレンサーはエキパイとの接合部から外れていただけだったが、ケースカバーが割れ、エンジンオイルは全部流出していた。フロント部分の破損が大きく、レバーは折れて無くなっており、カウルスティやメータースティも曲がっている。
元々曲がっていたシートレールは更に曲がってしまったが、キック一発で元に戻った。

転倒の状況
FZRの場合、130R入り口を4速全開で入り、途中5速へシフトアップし、全開となる。
立ち上がりでリアがちょっと滑ったがアクセルを戻さず、高速のままアウト側にはみ出してオーバーラン。そのままランオフエリアでゴロゴロ。

俺:「なんでアクセル戻さなかったん?」

トシ:「戻したよ。コースアウトしてから。」

俺:「おっせーよ。(爆)」

トシ:「しっかし、悔しいなぁ。結構乗れてたのになぁ。」

アグレッシブな奴だ。とても真似出来ないし、したくもない。(爆)

オイル処理に時間がかかり、再びコースクリアとなる事無く、ここまでで走行終了となった。(スポーツ走行をしていた方々、ご迷惑をおかけしました。<(_ _)>)
おーたは7周のうち、5周目の15秒がベストだった。



11時10分からの予定だったレーサークラス2本目の走行はオイル処理の為、5分ずれ込んだ。
フォークの突き出しをやらなければいけない為、寝ているすぅさんを叩き起こし、やってもらう事にする。


突き出しは7oからノーマルへ戻していたが、両方乗った感覚から、今度は5oまで落とす事にする。

11時15分。レーサークラス2本目の走行が開始される。
ハーフウェットだったさっきの走行じゃ何も出来なかった。気合一発。この走行でタイムを出す!

1周目、2分19秒から入る。2周目は17秒。しかしその後、どんなに頑張ってもタイムが延びない。
17秒代で3周、16秒代で3周。後半に入ってやっとクリアラップがとれても13秒前半のタイム。
途中、赤旗中断があったが、精一杯11周したにも関わらず、結局13秒29をベストに走行を終了する。
これで午前中の走行が終わった。

正直、かなり落ち込んだ。タイヤ変えて、これだけいいコンディションの中、自己ベストより1秒以上も遅い。

俺:(何故・・・何故タイムが出ない・・・。)

今日、予約していた俺の走行は終わった。午後走る予定だったトシは足の痛みを訴え始める。転倒直後は何とも無かったのに、時間が経つにつれ段々太股が腫れてきている。昼になる頃には膝も90°以上曲がらなくなり、普通に歩けなくなっていた。
午後に予定していたトシの走行は断念せざるを得ない状況となってしまった。



飯を食っている最中。

俺:「午後、あと1本走っていい?」

おーた:「あぁ。うん。いいよ。」

走れなくなったトシの分を走る事にした。あのタイヤで13秒ってのがどうにも納得出来なかった。こんな状態で帰りたくない・・・。

午後1本目はおーたの走行。10周のうち、1本目と同じ15秒代をベストに走行を終える。

次に俺の番。少なくとも自己ベストの11秒88は更新したい。
しかし、その願いは空しく、7周目の13秒50をベストに走行を終える。2本目のタイムすら上回る事が出来なかった。

俺:(何やってんだ俺・・・)

そして今日最後のプロダクションにおーたが走る。が、ブレーキパッドがそろそろ無い。
新品を持ってないので、仕方なく今まで使っていた中古のパッドをかき集め、まだ厚みのある順に4枚選び、それを付けて走る事にする。

パッドを選ぶツネさんとすぅさん

なんとか4枚を選び出し、本日3本目の走行に出て行くおーた。

8周目の15秒フラットをベストに10周し、本日全ての走行を終了する。

それにしても今日は赤旗が多かった。赤旗中断しなかった走行は1本だけだったような気がする。



走行後、色を塗り終わったFRPシートカウルを付ける事にする。これが又ややこしい作業。

まず、リヤフェンダーを取り外す。

この位置でカットする。

付属のシートインナーベースをタイラップで固定。

やっぱうまく付かない為、もっと切る。

シートカウルも切断。そのままだと、タンクを外す時にシートカウルも外さなければならなくなる。


ブラックボックスはインナーベースにタイラップで固定。

シートカウルの装着。

シートスポンジを貼り付け、完成。

思いのほか作業が難航し、すっかり遅くなった。


セッティングデータ
ノーマル今日のセッティング
サスペンション
(フロント)
突き出し0o0o→5o
油面130mm125mm
イニシャル4目盛り4目盛り→3目盛り
ダンパー最強から1回転戻し最強から1/2回転戻し
サスペンション
(リア)
車高0o5o上げ
イニシャル最弱から2段目最弱から2段目
ダンパー最強から1回転戻し最強から1/2回転戻し
メインジェットF165、R162(国内仕様)F170/R175

今日のベストタイム
HIRO2分13秒29
おーた2分15秒00

タイムが出ない。予選通過なんぞ、ほど遠い状況だ。
タイヤは悪くない。はっきり言って今日のタイムじゃ良さも分からない。分かったのはストレートエンドで振られる事もなく、コーナーでも剛性感があるくらいだ。パイロットレースの特性をつかむ事が出来ず、何のテストにもならない1日だった。
しかしもう他のタイヤをテストする時間は無い為、今日の走行で判断するしか無い。ダンロップよりは良い気もするが、パイロットレースは相当量のバックオーダーがかかっているらしい。判断に苦しむ。
いいタイヤだとは思うが、全然使いきれていない。タイムが出なければ意味が無い・・・。

以上

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