’96ハイランドロードレース選手権第6戦
作成日:98/03/14
更新日:98/03/14
94年、悪夢の転倒から復帰して早3戦目となったハイランド最終戦。前回第3戦からは2戦欠場し、
夏の強化合宿等、練習に専念する事によりタイムアップに努めてきた。成果が試される1戦となる。
練習で出した自分のベストタイムをエントラント13名の各タイムに当てはめてみると、6位〜8位の間位にいる。
実力を出し切れば、6位入賞!俄然気合いが入る。
ハーフウェットでの予選は6位。しかし、7位,8位に自分よりもタイムの速いライダーがいる。
彼らはまだ本気を出していない。決勝は容赦なく攻めてくるだろう。
10周で行われる決勝がスタートした。
終盤迄キープしていた予選順位も、8週目に変動が起こった。
ヘアピンに差し掛かった時、3位を走っていたライダーの転倒を確認する。
「よしっ。これで5位!」
後ろのライダーは遙か彼方にいる。このまま行けば5位入賞だ。
そしてレースはファイナルラップ。
「早く終わってほしい。」そればかり考える。
こういったレース中の後ろ向きな考えは如実にタイムを落としていく。
S字の進入で後方にバイクの気配を感じる。ストレート1本分程も離れていた後方のライダーが追い上げてきたのか?
スクエアコーナーの立ち上がり。直後にライダーが居る事を路面の陰が伝える。
「頼む。あと半周。」
スプーンコーナー。ややオーバースピード気味に、ブロックラインで進入する。
一度はらんでクリップへ向かう。と、その時。インを突く様に赤いTZが横に並ぶ。
「ぶつかる!」たまらずアクセルを一度戻す。
3速から4速へシフトアップするポイントで失速し、
やむを得ずセカンドに落とす。
呆気にとられている俺を後目に、理想的なラインでスプーンを立ち上がっていくRSオータがいた。
スタートの遅れを9周に渡り挽回してきたRSオータが最終ラップで追いついたのだろう。
結局そのままの順位でゴール。
RSオータ、5位入賞。俺、6位入賞
悔しくなかったと言えば嘘になるが、実力の差は否めない。
復帰1年目を締めくくるには上出来だ。
共にバイクに乗り始め、共にレースを始めたRSオータと今度は同時に初入賞出来する事が出来た。
この次は俺が勝つ番だ!
以上
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