もてぎ3時間耐久ロードレース(公式練習)
作成日:00/07/18
更新日:00/07/20

7月15日、土曜日。明日行われる3耐の公式練習日。
個人的には木、金とTZで練習しており、今日が3日目。おーたは昨日練習で2本走っている。トシは今日から。

もて耐の為の練習機会は年々減る傾向をみせている。
そうそう平日も休めないし、土日に行われる3耐を練習のチャンスと捉え、エントリーした。
予選、決勝を3人で走る事を考えると普段の練習より安上がりにもなるし、本番に近い雰囲気の中での走行は有意義となるはずだ。

エントリーは76台。グリッド66台に対して10台予選落ちとなる。

公式練習はA,Bの2グループで行われ、CompusはBグループ。両グループとも午前と午後で30分1本ずつの走行となる。
走行時間の少なかったトシに多めに走ってもらう為、午前はトシとおーた。午後はトシと俺で走る事にした。

今回はフロントのセッティングを変更する。
前回の走行では油面を上げた事で頼りない感じが解消されたが、S字等で加重をかけて入っていくとチャタリングがでるようになった為、今度は奥で粘るように油面を1cm下げてイニシャルを1段入れてみる。
解説 〜チャタリング〜

コーナリング中の場合はフロントが外側にダダダッとなり、ブレーキングの時は上下にダダダッとなる事。
「こないだ首都高でさぁ〜。240キロでフルバンクしたらフロントチャタってすげー恐かったよ〜。」のように使う。
ちなみに、【チャタレイ夫人の恋人という、戦傷で下半身不随となった貴族の夫を持つコンスタンスが、森番メラーズとの性愛に人間としての完成と調和を見出す姿を描いた映画】とは何の関係も無い。
(Shogakukan 1988.国語大辞典(新装版)C 小学館 1988.)

タイヤは練習用のパイロットが無くなった為、やむなくリアだけD207を履く。いわゆるダンチュリンって奴だ。

9時からAグループの走行が始まる。
他チームのタイムが気になり、各チームのサインボードを見てみると、やはり速そうな所は7秒〜8秒で走ってる。

(やっぱ練習で7だしとかないと厳しそうだな・・。)7耐決勝に残れるのは速いチームだけだ。

9時45分からBグループの走行。まずはおーたから。6周計測。

昨日の走行で10秒4とベストタイムを更新したおーただったが、タイヤの違いに戸惑ったのか、いまいち伸びず13秒真中あたりをベストにトシへ交代。
トシはこれが今期2本目の走行。今年も2秒マジックに期待するが、18秒から17秒、16秒と3周計測した所でチェッカーとなった。

セッティングを変更したフロントはいい方向へ進んだらしい。午後の走行に向けて期待が高まる。

おーた:「フロントOK!俺はこれでいいや。」



アキラの提案により、次の走行はファイナルを変更する。
今までのファイナルでは、6速を使うのはダウンヒルストレートだけ。しかも吹けきった感じでもなく、まだ回転に余裕がある。
そこで他のストレートも6速に入れられるよう、ショートにしてパワーを有効に使おうと言う考えだ。
ドリブンスプロケットを2丁ショートにし、43丁。イメージとしては今まで2速〜5速だった所が1丁ずつ上がり、3速〜6速になる予定。S字の3速に無理がありそうだが、1周を通して考えてみればやる価値は有る。


いずれにしても何か抜本的対策を講じなければ、今のままでは予選通過など非現実的だ。ダメモトでも考えられる事は全てやってみたい。シミュレーションしてみると、個人的にはこのアキラの提案に興味がある。

Bグループ2本目の走行が近づいてくる。トシ→俺の順番で走る。

俺:「全体的にギア変わるからしっかりイメージトレーニングしといた方がいいよ。」

トシ:「そうだな。」

俺:「セカンドに入れたら転ぶよ。気を付けな。」

トシ:「わ、わかった。」

12時丁度、Bグループ2本目の走行が開始された。最初はトシ。5周計測。

トシ2本目の出動

言われた通り、終始最終を3速で立ち上がってくるトシ。どうにも走りずらそう。

俺:「ん〜。やっぱだめくせ〜な。」

ファイナルの違いに戸惑ったか、16秒〜18秒で5周を消化し、ピットイン。

全開とほほモードな顔をして帰ってきたトシ。

トシ:「なんか滑るよ。」

俺へ交代。ピットアウト。

コースインして1周。3速進入だと思ってた各所はやはり全然だめ。立ちあがりでもたついてしまい、トシの言う通りトラクションがかからず確かに滑る。いくらトルクのあるバイクだとは言ってもドリブン2丁に対してギア1つってのは無理がありすぎた。
3速予定だった所を2速にする。これだと逆に厳しいかとも思ったが、アイドリングを上げたせいか2速進入でも減速しすぎる事は無い。ただ、今までよりもっと進入の直前で2速へ落とさなければいけない為、減速区間が忙しく、タイミングも難しくなった。
今まで5速までしか入らなかった各ストレートは6速まで入るようになり、後半の伸びが段違いだ。ダウンヒルも6速でキッチリ吹けきる。メーター読みのトップスピードは確実に10キロも伸びた。1コーナーは3速で進入出来るようになり、S字の3速も問題無い。
おーたの言うように、セッティングを変更したフロントも前回よりいい感じになり、チャタも出なくなった。
基本セッティングは大体出来あがった感じだ。これで進入の挙動が安定してくれば文句無し。攻めこんでいける所まであと少しだ。
これらの事から結果的にコーナーからの脱出スピードが向上し、他車とからんだ時等は特に楽になった。2気筒や600には確実に着いていける。これはいい。

各コーナーのギアとタイミングが決まるまで3周程費やす。パスするバイクも多く、その間のタイムは12秒〜15秒。

俺:(このファイナル当たりだ!これで行きたい。)

しかし、いくら印象が良くても結果を出さなければ説得性に欠ける。おーたは昨日の走行で取り戻しつつある調子を崩したくないとの事で、今日1本目の走行もファイナルは今まで通りで変えてない。

俺:(タイムだ。タイム出さなきゃ・・・これならベスト更新出きるはず。)

最終コーナーを立ちあがる。サインボードには4周目のタイムが表示されている。

Compus
RoadRacing
12−8
   L

俺:(12秒後半かい。んじゃ今のラップ11秒・・・いや10秒入れてるか。)

かなり前車に引っかかった前の周に比べると、5周目は比較的安定して走れた。そしてラストラップ。前には誰もいない。

4コーナーを立ちあがると5コーナーへ消えるバイクが見えた。

俺:(あの辺なら追いつけないな。)

完全クリアラップだと思われたが、90°のブレーキングで射程距離に入ってしまう。最終のアプローチで引っかかったが、立ちあがりで抜く。そしてチェッカー。サインボードは10秒1と示していた。

ピットへ帰り、タイムを聞く。最終ラップは9秒44。ほんのちょっとだが、ベストを更新してホッとした。今日全ての走行が終了した。

トシ:「どうだった?」あれでよく乗れるよなって顔のトシ。

俺:「う〜ん。いきなり君にはちょっと難しかったかもしれん。全部3速でいってた?」

トシ:「うん。2速に入れるとコケるって言うし。でも俺の進入スピードじゃ失速して全然だめだった。」

俺:「あんなん誰だってだめに決まってんじゃん。2速だよ2速。」

トシ:「ゲッ。まじ?俺必死に3速で走ってたのに。」

俺:「つーか3速だと転ぶよ。」

トシ:「なんじゃそりゃ!」

ちなみに俺はS字4速で転びそうになっていた。



〜〜昼〜〜




汗だくで全開食い。(しかしこわい・・・)




〜〜昼終了〜〜



ファイナルの件をおーたに説明する。ぶっつけになるが、予選からトライしてもらう事になった。

俺:(あとはフロントだよな・・。)

俺:「ねね。突き出し1oくらい出してみない?安定すると思うんだけど。」

おーた:「あぁ。そうだな。1次がもうちょっと欲しいしな。」

俺:「ほんじゃ2oにしてみない?1oだと違いがわかんないかもしんないし。」

って事で明日の予選に向けて1次旋回と安定感を増す為に突き出しを2o増やす。

前後とも新品のパイロットレースに履き替え、次は車検。

車検は1時からだが、行こうと思った矢先に土砂降りの雨。暫し止むのを待ち、装具をまとめて車検場へ向かう。


今回は音量測定が義務付けられていない。希望者のみだが、サイレンサーにグラスウールを詰め込んだばかりなので、効果の程を知るべく計ってもらった。結果、98db。公道でもおっけーだ。その他バイクは問題無し。

装具も一通り問題無いが、すっかり忘れていた事があった。

車検官:「給油の人用の長袖長ズボンは?」

Compus:「えっ?・・・あ。」

車検官:「綿100%ならトレーナとかでもいいんですけど。」

Compus:「あ。はいはい。後で持ってきます。」

車検官:「よろしく〜。」

とりあえず車検場を後にする俺ら。

俺:「こんなあっちー時に誰が長袖なんか持ってくるかよ。」給油作業者の服装なんぞすっかり忘れていた。

心当たりを探してみるが、当然誰も長袖なんぞ持ってきていない。

俺:「すぅさんとかツナギ持ってきてねぇかなぁ。」

北ショートコースでは明日行われるミニバイクレースの練習で、すぅさん始めみんな来ている。借りに行こうかとも思ったが、綿100%じゃなかったら意味が無いので、車で10分程行った所にあるホームセンターまで買いに行く事にする。

そうと決めてパドックを出たのが3時半。車検は4時迄なので30分で行って帰ってこなければならない。緊急を要する。

ゲートまでは緊急車専用車線を爆走。ホームセンターカンセキに到着し、作業着売り場へ直行。

俺:「あ!あったあった!」タックを見ると綿100%。

しかし何故かMサイズとLLサイズしかない。俺らと同じ行動をとったチームにLを買い占められたか?
それにしてもこのLLってのが異常にでかく、身長180cmの俺が丈を合わせても余裕でまだ10cm位余っている。

俺:「ナニ人用に作ったらこんなでっかくなるんじゃ。」

おーた:「Mは?」

俺:「Mは俺だと袖丈があわねーな。つーかこれ誰が着るん?」

この緊急時にMだのLLだのともめててもしょうがない。

俺:「まぁ、君着なよ。デザインもナウいし、お似合いですよ。」って事でMを購入。

しかしこんな時に限ってレジでは大量に買い物したおばはんにハマるし、帰りは道路工事で片側通行してるしで、パドックに戻ってこれたのが4時1分。そのまま車検場へ直行し、なんとかセーフ。

おーた:「78番のコンパスですけど、給油作業者の服買って来ました。」買い物袋ごと車検官に見せる。

車検官:「あ〜お疲れ様です。どれどれ。」

車検官:「ん〜なんか綿と手触り違う感じだけど、綿100%って書いてあるからオッケー。」

無事、全項目の車検が終了した。



5時くらいになり、もうやる事も無いので北コースの様子を見に行って早めに宿に帰る。

明日は3時間耐久本番だ。
予選のタイム分布はどうなるのか。
おーたは変更したファイナルにどんな印象を持つのか。
突き出した事でフロントは安定してくれるのか。
俺はどこまで練習と割り切れるのか。

はたして予選は何番手になるのか。



セッティングデータ
サスペンション
(フロント)
突き出し12o
油面120o
粘度G15
INI最強から5段目
TEN最強から3/4回転戻し
サスペンション
(リア)
車高+5o
INI+2o(サグ:15o)
TEN最強から12ノッチ
COMP最強から11ノッチ
メインジェットF172/R175


今日のベストタイム
HIRO2分9秒44自己ベスト更新
おーた2分10秒43自己ベスト更新(14日)
トシ2分16秒48

〜 今日の一言 〜

・ファイナルOK!

以上

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