スポーツ走行(7月2日)
作成日:99/07/14
更新日:99/07/16

7月1日。木曜日。どーでもいいが、今日から1年の折り返しだ。
今週末はもて耐の前哨戦とも言える3時間のセミ耐が開催される。当然、俺らも参戦するつもりだったが、エントリー締め切りである1ヵ月前の段階では、7月の3日/4日とも、俺もおーたも仕事的に丁度佳境を迎える時期と重なる可能性が高かった為、やむなく断念した。折角エントリーしたのに、レース当日が休日出勤となってしまった場合を嫌っての判断だった。
しかし、それから1ヵ月経った今日、2人とも予定より早く、6月中には仕事が片付いた形となり、個人的には明日から休み。
ばっちりセミ耐へ出場出来る状態となっていた。
まぁ、今更言ってもアフターフェスティバルだ。とりあえず3日土曜日の練習走行が走れるのでよしとする。
解説〜アフターフェスティバル〜
「後の祭り」の意。やや死語。
しかし、3日の天気は雨の予報。ちなみに明日の金曜日も午後から走行枠がある。しかも予報は晴。だが、明日はおーたが仕事だ。世の中そんなもんである。
3日のドライを祈りつつ、床に就く。

それにしても6月中は忙しかった。明日は家でゆっくりとカウルでも塗りながら仕事の疲れを癒すとしよう・・・。



「テロリロテロリロッ♪テロリロテロリロッ♪テロリロテロリロッ♪」

携帯の着信音で目が覚める。時計を見ると朝の7時過ぎ。

俺:「・・・誰だよぉこんな時間に・・・。」

仕事で納品したばかりのソフトに何か問題があったのか?それにしてもこんな朝早くに電話がかかってくるとは考えにくい。携帯は鳴り続ける。

「テロリロテロリロッ♪テロリロテピッ。」

俺:「あい。もひもひ。」

おーた:「うっす!晴れてるよ!」

俺:「・・・。」

俺:「・・・はぁ?ん〜・・・行くの?仕事は?」

おーた:「仕事休む。走行1時からだから、もう出ないと。」

俺:「もう出ないとって・・・わ、分かった。(汗)」

カーテンを開けると朝日全開。嬉しさが込み上げてくる。今日走れるんだ!
寝起きの起動に時間がかかる俺は、いつもなら支度するのに最低1時間はかかる所をマッハで支度する。それでもやはり1時間以上を要し、9時過ぎにもてぎに向けて出発する。



今日の走行枠は、プロダクションクラス3本に、レーサークラス2本。特に打ち合わせはしていないが、おーたがプロダクションクラスで、俺がレーサークラスを走る事になるだろう。
午前中の渋滞にバッチリはまり、プロダクションの1本目が開始される10分前にやっとパドックへ到着する。
おーたは既につなぎに着替えており、てんちょとKureも来ていた。

KureはSUGOのレースに出るNSR150のシェイクダウン。ロードコースは骨折後、初めての走行となる。

NSR150に跨るKure。

VTRのマフラーに穴を開けてしまった前回。フルエキゾーストを買う金も無いし、色々と吟味している時間も無い。
やはりインターネット上の個人売買で中古のマフラーを探す。そしておーたが見つけてきたのは、べガスポーツのスリップオン。
ノーマルに戻したエキゾーストパイプに、このサイレンサーを入れる。

VEGA SPORTS製カーボンサイレンサー

ちなみに、穴の開いた交換前のマフラー

穴部分の拡大写真 反対側(エンジン側)にもクラックが・・・。

1時半。プロダクション1本目の走行が開始された。

1周目を19秒で通過し、16秒、15秒、14秒、13秒と1周毎に1秒ずつ詰めてくる。その後は14秒コンスタントで周回し、最終ラップに又13秒を出して走行を終了する。

おーたの走行が終わり、ガソリンと走行券を買いに行く。それにしてもガソリンを作らなくていいってのは楽だ。
次のレーサークラス走行開始まで後5分。つなぎに着替え、準備万端。

走行を直前に控え、いつも通り緊張してくる。別に吸いたくもないが、タバコに火を付ける。


もう今日でVTRに乗るのも3日目となる。バイクも調子良さそうだし、この辺で一発、タイムを出しておく必要がある。いつまでもFZRのタイムすら出せないようじゃ、情けない。

エンジンをかける。マフラーを換えて、やはり随分と静かになった。午後2時20分。レーサークラスの走行が開始された。



ピットアウト出口で一旦停車。走行券にOKサインをしてもらい、クラッチを繋ぐ。
1速のままグッとアクセルをひねると、軽々とフロントが上がる。初めて乗った時も上がったが、前回乗った時は上がらなかった。低速トルクは元に戻っている。期待出来そうだ。
コースイン後、1周してホームストレート。

俺:(げぇ。全然乗れない・・・。)

コーナーが決まらないと言うより、ちゃんとコーナリング出来ない。まるでバイクの乗り方を忘れてしまったかのようだ。
進入ではケツが落ちすぎ、バイクにぶら下がっている。バランスをハンドルで取ろうとし、立ち上がりもメチャクチャ。
ニーグリップも忘れ、まるでバイクとの一体感を感じない。超ヘタレ走りを絵に描いたような状態。
良く考えたら、バイクに乗るのはほとんど1ヵ月ぶり。元々走らないとタイムの出ない俺。長すぎるブランクが響いている。焦る気持ちと動かない体が空回りする。

計測開始から1周目、2分24秒。
この後、以前の感を取り戻すのに数周を要する。2周目、3周目は19秒。4周目、5周目は16秒。
段々と調子が戻り始めた6周目から1秒ずつ縮めて行く。6周目、15秒。7周目、14秒。8周目、13秒。9周目も13秒。10周目、やっと12秒台が出る。しかし、その後2周続けて13秒台。残り1周を終え、チェッカー。ピットへ戻る。

バイクから降りるとフラフラとよろける。久しぶりの走行が足にきている。5年前に折った左膝が痛い。

俺:「最終ラップ何秒っ?」

goma:「12秒ぉ・・・89。」

俺:「ちっ。」

最終ラップのタイムに期待していたが、結局10周目に出した12秒53がこの走行のベスト。去年の決勝中に出したFZRのベストタイムとまったく同じ。

俺:(やっとFZRと同じか・・・。)

3時10分。引き続きプロダクションクラスの走行が開始される。てんちょ、Kure、おーたの3人が出動していく。
おーたは16秒コンスタントで5周走ったかと思えば、1回14秒を出した後、最終ラップまで奇麗に15秒台で周回し、走行を終了する。
彼の場合、いいタイムを出す前兆現象として、この様に安定したラップを重ねる走行がある。いい傾向だ。



Kureが2本目の走行後、コントロールタワーで7耐のエントリー台数を聞いてきたと言う。現時点で160台の参加申し込みがあるとの事。
ある程度予想していたとは言え、実際に聞くと改めて実感が湧き、その凄さに驚かされる。

160台。最終的には170台を超えるだろうか。去年を遥かに超えた予選の凄まじさが想像出来る。
去年の予選通過タイムが12秒だったとは言え、12秒台は1チームのみ。その上の11秒台は3台しかいない。さらに上の10秒台は10台もいる。
去年の参加台数、100台から更に+70台。
前から話しはしていたが、今年は最低でも練習で1桁台を出しておかないと、安心は出来ない。

こんな速いバイクに乗って、12秒出してる場合ではないのだ!

次の走行に向けて、フロントのイニシャルを1段戻す。今まではノーマルより1段入れていたが、今一つ旋回性が思わしくなかった為、試しにこれで走ってみる。
1本目で体も充分ほぐれている。気合を入れて2本目に挑む。今日はこれで最後だ。もっともっとタイムを上げておきたい。

午後4時丁度。レーサークラス2本目の走行が開始された。

1周目、16秒から入る。1本目の4周目のタイムだ。2周目は14秒。1本目の7周目のタイム。3周目、13秒。4周目12秒63。1本目のベストに近いタイム。5周目に12秒40。自己ベスト更新。しかしここからだ。
6周目、やっと12秒を切る。11秒98。7周目、8周目と11秒88。まったく同じタイム。
このまま更なるタイムアップを望が、9周目は又12秒台に落ち込む。10周目、再度11秒90。
残り周回数も少なくなってきた。集中力も限界に近づいた11周目、Vコーナーの進入。通常は3速から2速へ1つだけ落とさなければならない所を、TZの癖が出てしまったのか、2つ落としてしまう。1速でクラッチをリリースされたVTRは、その強力なエンジンブレーキでリアタイヤを左右に暴れさせる。
バンク出来ないまま、オーバーラン。コースアウトはしなかったが、これで一気に集中力が切れた。
もう時間も無いし、これ以上続けても無意味と判断し、そのままピットへ戻る。

最終ラップも12秒台。結局2周続けて出した11秒88がベストタイムとなった。



そして本日最後の走行。プロダクションの3本目。やはり3人とも出動。

おーた出動

2番目にKure出動

最後にてんちょ出動

と、思ったら走行券を忘れるてんちょ

そして(苦笑)なてんちょ

イニシャルを抜いた影響なのか、3本目で疲れてるのか、15秒からタイムが伸びないおーた。8周目、ホームストレート通過時、右足でピットインを合図してくる。

俺:「お。イニシャル戻しに来るんかな?」14oのレンチを用意しておく。


俺:「イニシャルっしょ?」

おーた:「ん?いや、これでいい。」

俺:「どしたん?」

おーた:「どーも疲れた。」

等と話をしているうちに、赤旗中断となる。モニターを見てみると、Vコーナーで転倒したバイクがコース上に投げ出されていた。

×

暫くしてコースクリア。再度コースインするも、やはり15秒前半のタイムが計測された所でチェッカーとなる。走行枠を全部走りきって、本日の走行が終了した。




一息ついた所で、ふと交換前に付けていたTSR製のマフラーが目に入る。

俺:「これ、サイレンサーも使えないん?なんかもったいないよね。」

おーた:「ノーマルと径は同じだだから、エキパイの形も同じだったら使えるかも。」

俺:「ちょっと、合わせてみんべ。」

ノーマルのエキゾーストパイプに、TSRのサイレンサーを差し込んでみる。
しかし、差し込む事は出来るが、サイレンサーが後ろへいかない。完全にエキパイの形がノーマルとは違う。


おーた:「これでどう?」

俺:「ん〜。これだとライダーの邪魔になるし、熱いよねぇ。」


おーた:「じゃ、こうとか?」

俺:「ん〜。ちょっとけむいかも。」


おーた:「んじゃ、こうだな。」

俺:「おぉ!いいねぇ。これでいこう!」

おーた:「しかしバンク出来ないのが、難点だな。」

俺:「まっ、慣れだよ慣れ。これが本当の前方排気って奴だな。」

当初の走行予定だった明日の天気予報は、雨模様。片付けをして帰路に就く。



〜今日のまとめと、今後の方向性〜

・エンジン
マフラーからの排気漏れも無くなり、低速トルクアップは体感出来たが、レーシング走行では使わないレンジだ。中速より上をアップさせないと意味が無い。今日の走行では、まだ中速より上のパワー感が足りなかった。全体的に薄い感じだ。ストレートが伸びず、いつものポイントでブレーキングすると後半に余裕が出来てしまう。今までダウンヒルは200mでギリギリだったのに、それ以上いける感じだった。
吸気系を全て輸出仕様にし、それに合せてメインジェットもノーマルの輸出仕様と同じサイズにしたが、次回は更に大きいメインジェットに交換し、トルクアップを謀りたい。

・サスペンション
フロントのイニシャルは、ノーマルの4段目だと底付感が出るし、2段目だとブレーキングが楽になる反面、旋回に入ってからもフロント過重にしないと曲がらない。やはりノーマルから1段入れの3段目が落ち着き所か。
リアはサスペンションを固めすぎたのか、動きが掴みづらかった。次回はもっと動かす方向で走ってみる事にする。

・タイヤ
今になって考えてみると、フロントタイヤをGPRに変えてから、D207GPの時より1次旋回力が弱くなっている気がする。今の状態で、またタイヤをD207GPに戻して確認したい気持ちもあるが、次回は最近ミシュランからリリースされたパイロットレースを試そうと思う。各雑誌で絶賛しているインプレッションが本当の所はどうなのか?VTRとのマッチングはどうか?興味のある所だ。個人的にはこいつに大きな期待をしている。
又、未だに確固たる原因が特定出来ていないストレートエンドのウォブルだが、他からの情報を聞いても、やはりD207GPが原因という見方が強い。他車種でも、このタイヤを履いた場合、時速200キロを超えた辺りからウォブルが発生するとの意見も聞いている。
今日はGPR70Fで走ったが、1本目の時は少々気を使わないと、やはり5コーナー手前でハンドルのブレが発生していたのに対し、何故か2本目は一切無かった。いつのまにか両方とも飛んで無くなっていたバンドルバーエンドが少々気になる所だ。(苦笑)パイロットレースがまた以前のような凄いウォブルを招かなければいいが・・・。


セッティングデータ
ノーマル今日のセッティング
サスペンション
(フロント)
突き出し0o7o
油面130mm125mm
イニシャル4段目2段目〜4段目
ダンパー最強から1回転戻し最強から1/2回転戻し
サスペンション
(リア)
車高0o5o上げ
イニシャル最弱から2段目最弱から4段目
ダンパー最強から1回転戻し最強から1/2回転戻し
メインジェットF165、R162(国内仕様)F170/R175

今日のベストタイム
HIRO2分11秒88自己ベスト更新
おーた2分13秒42

結局、やっとこ11秒後半のタイムしか出せなかった。1桁台はまだまだ遠い。次回走行予定は7月18日。パイロットレースを履き、どこまでタイムを伸ばせるのか。

男子トイレの天井で子育てをするツバメ

以上

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